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(財)高輝度光科学研究センター

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セッケン分子と希土類金属から新しいディスプレイ材料開発の可能性 (2007/7/4)
 近年、有機ELや液晶ディスプレイを始めとする様々な発光デバイスの開発が行われている。今回、青山学院大学は、高輝度光科学研究センター、理化学研究所および旭化成と共同で、セッケンの元となる分子に希土類金属であるプラセオジム(Pr)やユウロピウム(Eu)イオンを含ませて規則的に並べた特殊なセッケン膜に、有機分子を取り込むと、特定の方向に偏光した光を発する事(偏光発光)を発見した。
 これは、希土類金属と有機分子との相互作用が、光を発する元となる有機分子の電子状態に特別な制約を与えることで起こる。大型放射光施設(SPring-8)の高輝度X線により解析し決定された膜の分子構造から、この偏光発光の仕組みを初めて解明した。  これまで、液晶ディスプレイのバックライトなどは偏光フィルムを通して偏光させる必要があったが、本成果により偏光を直接発する発光デバイスの開発の可能性が生まれ、携帯電話や銀行端末など、覗き見防止の仕組みを持つ指向性の高い偏光ディスプレイなどの開発の契機となることが期待される。

セメントを金属に変身させることに成功(2007/4/11)
 東京工業大学は、大阪府立大学、理化学研究所及び高輝度光科学研究センターと共同で、石灰とアルミナから構成される化合物12CaO・7Al2O3(C12A7)を、黒鉛と同程度の高い電気伝導を示す金属状態に変えることに成功した。 
 元来、石灰(カルシウムと酸素の化合物:化学式CaO)と酸化アルミニウム(アルミニウムと酸素の化合物:Al2O3)は、教科書類に載っている電気を流さない代表的な絶縁体である。今回、これらからできている12CaO・7Al2O3(以下C12A7)というセメントの構成成分として使われている物質が持つ、直径0.5ナノメートルのカゴの中に、多数の電子を入れ、電気を全く通さない状態から金属と同じように電気をよく通すように変えることに成功した。
 このことは、電気を全く通さないと信じられてきた元素からできた物質でも、ナノの構造をうまく利用すれば、金属のようによく電気を通すように変えることが出来ることを明らかにした。
 液晶ディスプレイやテレビなどに不可欠になっている透明金属は、希少な金属であるインジウムを用いなければならないという問題をかかえている。しかし、本研究成果は、ナノの構造を工夫することによって、インジウムのような希少な金属を全く使用することなく、身の回りにある、ごくありふれた元素を使って透明金属を実現できる有望な道筋を与えた。
 本研究成果は、東京工業大学フロンティア創造共同研究センターの細野秀雄教授、大阪府立大学の久保田佳基准教授、独立行政法人理化学研究所の高田昌樹主任研究員(JASRI主席研究員兼務)らのグループの共同研究によるもので、米国化学会発行の科学雑誌Nano Letters(ナノ速報誌)に掲載(4月11日)される予定である。