病院薬剤師への就職が増加。しかしまだ不足状態が続きます。
薬学部生の進路が狭まる中、病院薬剤師の就職者数増加!URLは、薬系進学・薬系進路の編集部がアンケートをベースに病院就職者の推移を制作しました。
データを見ると2022年・2023年と連続で病院就職者が増えています。しかし、10年前(2014年)の病院就職者は2,809人(一般社団法人・薬学教育協議会)でしたから、まだまだ病院への就職者は戻っていません。
対象的なのが薬局・ドラッグストアへの就職です。2023年3月の卒業生では、減少に転じています。これについては別ページで紹介します。
企業や薬局の採用スケジュールに合わせて、病院の採用も早期化
病院には、新卒薬剤師が薬局やドラッグストアに流れているとの危機感があります。問題に対応する病院は、1月・2月の早期の段階で求人票を送付するようになりました。そして病院の採用担当者は「本当に就職したいのなら病院見学を勧める」といいます。
まず病院の採用スケジュールを理解して、志望動機などについて、しっかりした文章を作りましょう。
キャリアスタッフの中には、「話をしてみるといい学生だけど、第一印象とはギャップがある」、「応募書類に書いた文字が個性的」という感想をもつことがあるといいます。例えば文字は、ペン習字のコツを掴むなど訓練すればある程度改善できます。問題点を確認して内定に向けた準備をしましょう。
採用活動が早い医療施設は、求人票が1月から届きますから「訓練」や「病院見学」は前年の12月までに済まさなければなりません。計画的に準備してください。
毎日、一緒に働く仲間の採用
病院では、病院薬剤師が足りません。都道府県の全てで偏在が生じており、多くの薬剤師が薬局やドラッグストアで働く偏在が生じているといいます。厚生労働省が、薬剤師の偏在についてデータを公表しています。
https://www.jshp.or.jp/content/2023/0612-4.pdf
薬剤師不足は大規模な病院ほど生じているようです。しかし、数が足りていればいいというわけではありません。
病院の薬剤部は大きくても150名程度の小規模な組織ですから、気まずい雰囲気があれば業務に影響します。
採用責任者の薬剤部長先生は、「毎日一緒に働く仲間の採用」ですから、評価が厳しくなるのは当然です。先に紹介した「文字」は、文字から書いた人の人柄が想像できるといいます。
先輩が残してくれた「就職活動報告書」を参考にしたり、キャリアスタッフと仲良くしておくのもいいでしょう。
あるキャリアスタッフは「急に採用が必要になった病院があり、日頃からキャリアセンターを利用している学生を紹介。採用につながりました。学生と病院の両方から感謝された思い出があります」というエピソードを話てくれました。