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国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP)

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パーキンソン病の新たな発症メカニズムをモデル動物で初めて解明 ―糖脂質がαシヌクレイン蛋白質の異常構造変化を引き起こす―(2015/9/16)
ポイント
GBA遺伝子変異を持つと、パーキンソン病およびレビー小体型認知症が約5~8倍発症しやすい。
糖脂質グルコシルセラミドの蓄積によりαシヌクレイン蛋白質がプリオン様異常構造化して、神経変性を悪化させることが分かった。
糖脂質の蓄積抑制による、パーキンソン病およびレビー小体型認知症の新たな治療・予防法につながることが期待される。
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP、東京都小平市 理事長:樋口輝彦)神経研究所(所長:武田伸一)疾病研究第四部(部長:和田圭司)の永井義隆室長、鈴木マリ研究員らの研究グループは、パーキンソン病およびレビー小体型認知症の発症に関与するαシヌクレイン蛋白質の異常構造化が糖脂質の蓄積によって引き起こされることを明らかにしました。
パーキンソン病は、主に中脳黒質のドーパミン神経細胞の変性・脱落により、手足の震え、筋肉の強張り、動きづらさなどが現れる、進行性の神経変性疾患です。神経細胞内ではαシヌクレイン蛋白質が異常構造変化を起こして、レビー小体と呼ばれる封入体に蓄積することが知られていますが、その原因は未だ十分に解明されていません。近年の遺伝疫学研究により、糖脂質分解酵素の一つであるグルコセレブロシダーゼ(GBA)遺伝子に変異を持つ場合に、パーキンソン病を約5倍発症しやすくなることが分かっています。一方、レビー小体型認知症と呼ばれる認知症でも、αシヌクレイン蛋白質がレビー小体に蓄積することが知られていますが、この発症にもGBA遺伝子変異が関わることが報告されています。
本研究グループはGBA遺伝子を抑制したパーキンソン病モデルショウジョウバエを作製し、GBAの働きが低下すると運動症状や神経変性が悪化することを見出しました。さらに、GBAの機能低下により糖脂質グルコシルセラミドが蓄積し、グルコシルセラミドが直接作用してαシヌクレイン蛋白質のプリオン様異常構造化を引き起こすことを、生化学的手法により証明しました。本研究成果はパーキンソン病およびレビー小体型認知症の新たな発症メカニズムを明らかにしたものであり、この過程を抑えることによる新たな治療・予防法の開発に貢献することが期待されます。
本研究は、理化学研究所の平林義雄チームリーダーらとの共同研究として、主に精神・神経研究開発費の支援のもとで行われたもので、研究成果は英国科学雑誌「Human Molecular Genetics(ヒューマン モレキュラー ジェネティクス)」に2015年9月11日、オンライン速報版が先行公開されました。
http://www.ncnp.go.jp/press/press_release150916.html