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国立大学法人 秋田大学

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「インターフェロンが造血幹細胞の運命決定を制御」 -副作用の少ない骨髄移植法・慢性白血病治療法の開発へ福音-(2009/5/29)
東京医科歯科大学・難治疾患研究所・先端分子医学研究部門・生体防御学分野の樗木俊聡(おおてき としあき)教授、秋田大学大学院医学系研究科・生体防御学の佐藤卓(さとう たく)助教の研究グループは、秋田大学ならびに東京医科歯科大学でおこなった研究成果として、I型インターフェロンが、すべての血液細胞の源である造血幹細胞の運命をコントロールすることを発見しました。この研究成果は、国際科学誌Nature Medicineの2009年5月31日付オンライン版で発表されました。

ポイント
・生体にウィルス抵抗性を付与することが知られていたI型インターフェロンの一過性の刺激が造血幹細胞の増殖を、持続的な刺激が造血幹細胞の減少を誘導することを新たに発見
・放射線を用いない骨髄移植法開発、がん幹細胞を標的とした慢性骨髄性白血病の治療法の開発へ直結する重要な知見

研究の背景
造血幹細胞は、赤血球や白血球を含むすべての血液細胞を作り出す源の細胞であり、骨髄ニッチと呼ばれる場所で、ゆるやかに自己増殖を繰り返しながら存在しています。一方、慢性骨髄性白血病では、造血幹細胞と性質のよく似た「がん幹細胞」が白血病細胞を作り出す源の細胞であることが知られています。従って、人為的に造血幹細胞の運命をコントロールすることが可能になれば、慢性骨髄性白血病治療さらには副作用の少ない骨髄移植法の開発に結びつく可能性が高く、非常に重要な研究課題でした。

研究成果の概要
I型インターフェロンは、ウィルス感染の際、宿主に抵抗性を付与する重要なサイトカインとして知られています。本研究では、これまで知られていない重要なI型インターフェロンの機能を明らかにしました。即ち、一過性のI型インターフェロンの刺激が造血幹細胞の増殖を、持続的なI型インターフェロンの刺激が造血幹細胞の減少を誘導することです。I型インターフェロンシグナルを抑制する転写因子IRF2を欠損するマウスでは、持続的なI型インターフェロンシグナルに起因する造血幹細胞の減少が観察されました。現在の抗がん剤治療では、増殖能力の高い白血病細胞のみが標的となります。したがって、本研究成果は、I型インターフェロンを投与することで、一過性にがん幹細胞の増殖を盛んにし、抗がん剤の効果を高める新治療法の有用性を示すものです。また、このようなI型インターフェロン(と抗がん剤の併用効果)の効果は、放射線照射を軽減・回避可能な骨髄移植法の開発に直結するものです。
http://www.tmd.ac.jp/press-release/20090529/index.html