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2020/03/13


医薬品業界 調剤薬局・ドラッグストア2

行政は、政策を実現するために様々な準備をします。
厚生労働省は新たな制作を進めるため審議会などで意見交換をつくして国会に法案を提出。国会を通過するとその内容を業界団体や医療機関に周知するため情報発信します。その施策の実現のため予算をつけ、さらに医療機関などに対する報酬も設けます。
それらの動きをチェックしていると、厚生労働省が何を考えているかが見えてきます。
今回の薬機法改正などは、保険薬局・ドラッグストア業界に影響を与えるものと考えられます。

●薬剤師に服薬指導の継続を義務付け
 2019年3月19日に改正医薬品医療機器等法案(薬機法改正案)が国会に提出され、11月27日に参院本会議で可決・成立しました。薬剤師目線では、薬剤師に必要に応じて患者の薬剤の使用状況の把握や服薬指導を行うことが義務づけられることになります。

●「特定機能を備える薬局」を認定
○地域連携薬局(都道府県知事が認定)
 地域包括ケアシステムのなかで、入退院時や在宅医療に他医療提供施設(病院・診療所など)と連携して対応できる薬局です。
○専門医療機関連携薬局(都道府県知事が認定)
 がんやHIVなどの特定領域について、専門的な薬学管理に他医療提供施設と連携して対応できる薬局です。傷病の区分ごとに認定を受けます。
 認定薬局以外は、「地域連携薬局」や「専門医療機関連携薬局」を明示することができません。これら特定機能に対し報酬がつけば急速に認定薬局が増えると考えられます。
 「特定機能を備える薬局」は、2年以内の施行(2021年度中)です。認定方法などがこれから作られていきます。

●服用期間中の「服薬状況の把握」
 「服薬指導」
 薬剤師は、調剤・投薬時だけでなく、患者に対する「服薬状況の把握」や「指導」を実施することが全ての薬局に義務づけられます。地域密着の「薬剤師」と「医療機関」が連携して患者の治療を進め、地域のチーム医療を実現します。
 また、服薬指導の対面義務の例外として、テレビ電話などによる服薬指導も可能にしています。
 これらは公布から1年以内に施行されることになっており、2020年秋に施行とみられています。

●薬害から守り、治療効果を高める
 「経口抗がん剤一覧」の貼付文書をみると「警告」や「相互作用」「副作用」などが記載されています。
 入院している患者は、回復して家族の元に帰りたいと考え、苦しい副作用に耐えようとします。
 自宅で治療する患者には、「自宅に戻りたい」という目標がなく、モチベーションが下がる可能性があります。副作用に耐えられず服用をやめれば症状の悪化を招きます。
 調剤薬局に服薬指導を継続させ、副作用・相互作用の発見・報告、さらに減薬や薬の変更提案もしていくことになるでしょう。調剤薬局の薬剤師は、患者に寄り添い、治療に貢献することが考えられます。そのためには、認定を受けた薬局で働きたいところです。

就活事典75Pより

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