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2020/03/04


医薬品業界 製薬企業編 3

3回続けて製薬企業の話題です。
薬学部6年制学科で学ぶ多くの学生が病院や調剤薬局の薬剤師をめざしています。どちらかといえば製薬企業を目指す人は少ないのが実情です。
製薬業界もMRの希望退職、新卒MR採用数の減少などの動きがあります。
一方、一般財団法人 日本薬学教育協議会が公表する「就職動向調査の集計報告」をみると製薬業界への就職者数が増加しています。
製薬業界就職者は、2013年の1,075名をピークに減少していましたが、2016年の893名から増加に転じ、2019年3月には926名まで回復しました。
その内容を見ると2013年はMRが569名、開発・学術229名、研究・試験・製造は165名でした。
2019年はさすがにMRが減少して289名に半減。増えているのが開発・学術の364名です。研究・試験・製造が159名、その他の企業(開発・学術)は161名と2013年レベルに戻りました。
※就職者数は、「その他企業・その他職種」を除いています。

○製薬企業・業界に就職する学生は増加
 研究職・試験・生産管理・品質管理などに就く学生は安定していることが分かります。
 生産管理職は、薬剤師国家資格をもつ人材を必要としており採用意欲が強い分野といえます。薬学で学んだ知識、取得した資格を生かすことができる職場です。

○臨床開発職・学術職に就く学生が増加
 臨床開発職は、薬学部生の根強い人気を誇る職種です。病院実習で、治療薬がなく治療の方法がないという患者と接することがあります。それがきっかけで、臨床に未承認薬をできるだけ早く届けたいと開発職をめざす学生がいます。
 中には、CRO・SMOに就職して臨床開発職としての就職を考える学生もいます。いずれも臨床開発では、国際共同治験が中心になっており英語力が必要です。また信頼性などの職種でも海外の医療人とのコミュニケーションが求められることがあり、英語力が重要になりました。
 
○毎年減少するMR職就職者
 一般財団法人・日本薬学教育協議会の「就職動向調査の集計報告」をグラフ化しました(グラフ省略)。実務実習と就職活動時期が重なることもありますが、6年制の学生には、MRが不人気のようです。製薬業界に就職する学生は増加しており、MR以外の職種職種を希望する学生が多いことを示します。

○1年間で2500人のMRが退職
 製薬業界の各社は、特許切れ製品による収益の減少、薬価引下げ圧力などを受けてコストカットしています。希望退職者を募るなど構造改革を進めており、グラフを見ても2018年(平成30年度)だけでMRは2533人減少したことが分かります(グラフ省略)。

就活事典46P-47Pより



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