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2019/11/20


AIと薬剤師の関係は?

ある病院でがんの治療に免疫チェックポイント薬を処方した患者が副作用を発症しました。
糖尿病を発症した患者は、「がんの治療で入院したのに糖尿病になるのは納得できない」と治療を拒んだといいます。困った医師は、「説得して糖尿病治療を受け入れさせて…」と認定薬剤師に依頼しました。病院で医学・薬学・化学・生物学などの総合的な知識をもち、説明できるのは薬剤師だけだからです。

AIが各分野で活用され、AIに仕事を奪われるのではないかと心配している人がいるようです。
病院・医療の関連では、画像診断が注目を集めています。
また既存薬の認可領域外の可能性確認、創薬研究や臨床試験への活用など、その活用範囲が広がっています。
AIは万能というイメージが広がっているようです。

病院はどうでしょう。病院業務を見渡すと、施設によって患者を受け入れる診療科が異なり、ベッド数や施設・設備、治療方法、スタッフの人数や技量、採用する医薬品も異なります。病院によって条件が異なればオリジナルのAI制作が必要になります。
また最も大切な患者は、年齢・性別、食生活や喫煙・飲酒の有無などの生活環境、体質や家族性遺伝など一人一人異なります。遺伝子検査などで得たデータを基礎にしなければなりません。
このような検査すれば先の患者は糖尿病を発症せずに済んだでしょう。

病院のAI化は必要ですが、全ての業務をAi化することは難しいのではないでしょうか。
個別の病院にあったAIを構築するには費用も生じます。電子カルテの外部委託は多額の費用が必要といいます。AI導入も費用がかかることでしょう。
AIの実現には、深層部の設計に薬剤師も参加して医薬品の知識や副作用などの専門知識、医学や生物学、有機化学の知識とITに関する知識を提供することになるでしょう。

調剤薬局は、調剤業務の一部を非薬剤師が担当することができるようになります。負担が軽減される薬剤師は服薬指導の継続など対人業務を進めます。
どの分野でもいわれることですが、コミュニケーション能力がますます重要になります。
調剤薬局にAIが導入されて、副作用や相互作用、重複投与などの管理ができるようになれば、機械的な業務はコンピュータに任せましょう。
薬剤師に求められる対人業務に専念することができるようになるでしょう。

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