漢方・一般薬メーカー

漢方薬メーカーにもMR職がある

漢方薬にも医療用漢方薬があり、処方箋に応じて薬剤師が調剤する。医療用医薬品と同様に漢方薬メーカーも製品のプロモーション(営業)活動を展開するのである。たとえば、医療用漢方製剤で知られるツムラの場合、患者の体の状態をみて「証」に基づく治療を行う。たとえば、「微熱があり、肩にコリがあるが汗が出ない」という状態は葛根湯の「証」である。葛根湯で発汗を促し、血行をよくして風邪の症状を改善するというわけ。
漢方薬の有効性・安全性は、基礎レベル、臨床レベルで科学的なデータが蓄積されており、免疫力を高める作用やアレルギーに対する作用など作用機序も化学的に明らかになっている。
症状が安定したとき、医師が「病状が安定してきましたから、そろそろ漢方薬で維持療法、再発予防をはかってみましょうか」と提案することがある。長く服用して、体質改善するには漢方薬が適していると、内科医の70%以上が漢方薬を処方した経験をもつという。
漢方薬にも医療用医薬品との相互作用などがあり、医薬品として漢方薬の情報提供をMRが行う。漢方薬は専門性が高く、それらの情報を医師に提供するのも漢方薬「専門MR」なのである。
漢方といっても製剤に違いがある。①漢方薬メーカーは証による投薬し、揃じて服用する本来の漢方薬を製造する会社。②漢方薬を揃じて未分剤化、③錠剤化して漢方薬を服用しやすく製品化するメーカー。いずれも原材料を中国に頼っているようだ。

漢方薬・生薬認定薬剤師制度

漢方薬・生薬認定薬剤師は、漢方薬・生薬に関する専門的知識を修得し、能力と適性を備えた薬剤師であることを認定する制度。
(財)日本薬剤師研修センターと日本生薬学会が実施する研修の受講と試問に合格し、認定を希望すれば「漢方薬・生薬認定薬剤師」に認定される。認定後も、漢方薬・生薬に関する研修を受け、定められた単位を修得しなければ更新できない。
このような専門薬剤師の制度があるのは、その専門性と重要性が認められているからだろう。


一般用医薬品(OTC)メーカー

一般用医薬品メーカーといえば、大正製薬や佐藤製薬などの会社をイメージするだろう。興和もOTCメーカーのイメージがあるかもしれない。大正製薬も全売上の約30%を医療用医薬品が占める。一方、武田薬品工業やエーザイは医療用医薬品メーカーだが、一般用医薬品も販売している。実態は医療用・一般用とも業態に大きな差はないが、もともとのスタート・主力とする医薬品・領域などで分けているにすぎない。



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