医薬情報担当者・MR職

景気に左右されない製薬業界

 製薬分野は景気の影響が少ない業界である。薬を通じてとりわけ病気で苦しむ患者さんを救うやりがいのある仕事。製薬企業の多くは、財務状況も一般企業に比例すると素晴らしい内容。
 特許切れの「2010年問題」、「海外展開」など会社によって抱える問題があっても一般企業のように会社が傾くようなことはほとんどない。自分に合っているなと感じる会社を見つけて働きたい。それが長く仕事を続けることにつながるはずだ。

製薬会社の仕事
 製薬会社の仕事には研究職・開発職だけではなく、MR職や学術職・市販後調査・安全情報・薬事申請・法務・経営企画などがあり、一般企業のように総務部門や人事部門なども機能する。そこで働く人は会計や法学などの専門知識が必要な仕事を除けばMR職の経験者であることが多い。MRとしての経験が、他分野の業務にも生きてくるのだろう。代表的な仕事を紹介しよう。


■医薬情報担当者・MR

臨床現場に情報を届ける仕事

医薬品は正しい情報があってこそ、臨床で使うことができる。すばらしい効き目をもつ医薬品でも、情報が備わらなければ医師は恐ろしくて処方できない。どんな恐ろしい副作用があるかも知れないからだ。
医薬品は情報があってこそその性能を引き出し、治療効果を高めることができるのである。医薬品の情報は製薬会社が研究・開発段階で判明したあらゆるデータを医療機関に届けることが原則になっている。
臨床で使用されている医薬品にも情報が発生する。市販後は多くの患者さんに投与され、様々な症例(情報)が上がってくる。
他の医薬品との相互作用が生じたり、新たに確認された副作用があれば添付文書を改定するなど、速やかに医師や薬剤師に情報を提供しなければならない。それが製薬会社の責任なのである。


医薬情報担当者・MR

 医師の「患者を治したい」というニーズに応えるのが医薬品である。医師が薬物治療について相談できるのは病院薬剤部の薬剤師と製薬会社のMRだ。
 MRは製薬企業を代表して、医薬品のプロモーションを行う営業担当。直接薬の販売をするのではなく、医薬情報(医薬品と関連情報)を医師や歯科医師、薬剤師、看護師などに提供する。医薬品の適正使用と副作用情報など医療に直結する情報を伝え、医師からの医薬品に関する問合せ・相談に応じるのもMRの仕事だ。


医薬情報担当者・MR



学術部門

 医療関係者からの医薬に関する問合せへの対応、MRが病院から持ち帰った医師の相談内容を文献、データベースなどから調査し、情報をMRに提供する。また病院などで製品紹介セミナーを企画するのも学術部門の仕事。現場を知るMR経験者を配置する会社が多いようだ。もちろん会社によって方針は異なる。開発部門の学術職は、製品に開発段階から関わっているため製品紹介のパンフレット製薬や消費者相談などの担当をすることがある。


生産管理・品質管理

医薬品には安定性や均一性が求められ、そのためには製品の品質管理、安全管理が欠かせない。
品質管理職は、工場に入荷する原材料が基準を満たし生産された製品が定められた基準を満たしていることを分析・確認・管理する。工場の入口と出口を管理する大切な仕事である。
生産管理職は工場の生産スケジュール管理が中心になる。 
生産が進み、次第に習熟していくと、その製品について深い知識をもつのが生産ラインの担当者だ。その知識をベースに、生産性を向上するための提案や安定性を高める様々な提案がされるようになる。


■MR職採用状況

製薬各社の採用をみていると、MRの採用は活発に感じられる。病院によるMRの立入制限(時間帯など)があって、MRの訪問数が製品の売上につながらなくなっている。そのため、大量採用ということはなくなったが、前年並みの採用数という会社は多いようだ。ただし、以前は、薬学部卒業生を重視する会社が多かったが薬学部聖の採用が難しく、文系学生のウェイトが高くなっているが経団連から加盟各社への早期採用活動の自粛(倫理規定の遵守)を求める連絡が、状況を変えた。採用は、4月スタートを前提とする。



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