京都府立医科大学附属病院薬剤部


京都府公立大学法人
京都府立医科大学附属病院


 「京都府立医科大学附属病院は、世界トップレベルの医療を地域へを理念に医療に取り組んでいます」と四方先生。
 同院は、都道府県がん拠点病院および小児がん拠点病院として最先端の医療を提供する特定機能病院として知られます。一方で府立病院として京都府全域の政策医療も担う病院です。
 先生は、「病院は社会の公器であるという考えの下、私たちの仕事は患者さんを第一に、高騰する医療費等の問題も考えながら、新しい業務に挑戦する必要があります。
 薬剤部の平均年齢は35歳で、20歳代から30歳代のスタッフが約70%を占め、約60%は女性です。少子化や働き手の減少が問題になるなか、結婚、妊娠・出産を経験しても安心して職場復帰できるような職場づくりを目指しています」と四方先生。
 四方先生が薬剤部長になって5年。四方先生は、着任当時32名だった薬剤師を54名まで増員するなど最初の4年間で基盤整備を進められたといいます。
 そして5年目からは、質的な向上を目指しておられます。その一つが認定資格の取得です。四方先生のもとで指導を受けた薬剤師さんたちが認定資格の受験資格を満たすようになってきたのです。
 「私にはこれがあるという強味を各薬剤師がもち、自信をもって医療にかかわることでモチベーションを保つことができます。将来は、市販後調査への関与はもとより、臨床研究などにもどんどん参画していければ」と四方先生。

 この病院は、がん専門薬剤師研修施設や薬物療法専門薬剤師制度研修施設のため、資格取得には恵まれた環境にあります。
 「能力開発の支援も重要と考えており、学会や研修会にも積極的に参加させています。また他所の病院をみることで自分たちの業務を見つめ直すことができますので、その機会も与えるようにしています」。
 日常的な学びも見逃せません。薬剤部内の症例報告会や勉強会も多く学ぶ環境が充実しているのも特色でしょう。

上下の絆を培うメンター制度

 四方先生は、「チーム医療から地域医療、そして在宅医療も含めて薬剤師のあるべき姿を考える必要があります。そのためスコアカードで薬剤師の業務を見える化して、四半期に1回全体的計画を見直します。中でも経営感覚は重要です。仕事の内容を金額に置き換えて検証します。人を増やすことができたのもこの活動があったからと考えています」といいます。
 病棟の看護師は、多くの時間を薬に関する仕事に充てています。
 薬剤師が病棟に2-3人いれば、看護師は薬や点滴の準備などの仕事から解放され、患者の看護に専念できます。さらに薬剤師の増員にも繋がると考えているのです。それらを証明するのが、経営感覚から得られるデータというわけです。
 また新人薬剤師の教育にも特色があります。メンター制度です。先輩が翌年の新人を教育するという仕組みです。1年目は、決められた先輩薬剤師がマンツーマンで指導しますから気軽に相談することができます。先輩も後輩を指導することでおさらいできます。
 この病院では、入職一年目でも調剤業務や病棟業務、DI業務、抗がん剤の混注業務、TDMなどを経験させます。
 病棟業務は患者さんや医師・看護師から学ぶ格好の機会になります。そんな時も先輩薬剤師のバックアップは有力な支えになるでしょう。

●薬剤部のスタッフ

○薬剤師数 58.0名(2018年4月)
 常勤54名
 非常勤5名(常勤換算4.0名)

●専門・認定薬剤師等の取得状況(2018年4月1日)


日本医療薬学会 指導薬剤師 1名
日本医療薬学会 認定薬剤師 2名
日本病院薬剤師会 感染制御専門薬剤師 1名
日本病院薬剤師会 妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師 1名
日本緩和医療薬学会 緩和薬物療法認定薬剤師 1名
日本静脈経腸栄養学会 NST専門療法士 1名
日本臨床救急医学会 救急認定薬剤師 1名
日本腎臓病薬物療法学会 認定薬剤師 1名
日本病院薬剤師会近畿 がん化学療法認定薬剤師 2名
日本糖尿病学会 糖尿病療養指導士 1名
京都府糖尿病療養指導士 3名
日本くすりと糖尿病学会 糖尿病薬物療法准認定薬剤師 1名
日本薬剤師研修センター 研修認定薬剤師 8名
日本薬剤師研修センター 認定実務実習指導薬剤師 11名
日本薬剤師研修センター 小児薬物療法認定薬剤師 2名
日本薬剤師研修センター 漢方薬・生薬認定薬剤師 1名
日本DMAT隊員 2名
京都府DMAT隊員 2名

京都府立医科大学附属病院の概要

京都府公立大学法人 京都府立医科大学附属病院
○所在地 〒602-8566
     京都市上京区河原町通広小路上ル梶井町465
     http://www.h.kpu-m.ac.jp/doc/index.html
○病床数 1,065床(稼働病床数845床 2018年4月)
○院外処方箋発行率 95.2%
○診療科 総合診療科/消化器内科/循環器内科/腎臓内科/呼吸器内科/内分泌・糖尿病・代謝内科/血液内科/膠原病・リウマチ・アレルギー科/神経内科(老年内科)/消化器外科/心臓血管外科/呼吸器外科/内分泌・乳腺外科/移植・一般外科/形成外科/脳神経外科/整形外科/産婦人科/小児科/眼科/皮膚科/泌尿器科/耳鼻咽喉科/精神科・心療内科/放射線科/麻酔科(術前外来)/歯科/漢方外来/小児循環器・腎臓科/小児外科/小児心臓血管外科/リハビリテーション科/救急医療科/病理診断科/疼痛・緩和ケア科/感染症科

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