働きやすい職場環境
やり甲斐を感じる仕事
●お仕事の様子を教えてください。
私は、腎移植の病棟を担当しています。腎移植では様々な薬を用います。その中でも特に免疫抑制剤は感染症を誘発するほか、血液中の濃度が高すぎると副作用が出やすくなりますし、低すぎると拒絶反応が起こるなど注意が必要です。また、腎移植後は長期にわたり免疫抑制剤を飲み続ける必要があります。飲み忘れがあると拒絶反応が起こり移植が失敗するおそれがあるので、移植後の服薬指導に力を入れています。患者さんのなかには自身で薬を調整してしまう方もいます。患者さん自身の腎臓をより長く守るため、薬を飲み続けることの重要性を納得していただくまで説明し、職業や生活リズムを考慮した上で自己管理できるように支援しています。
●注意していることはありますか?
ときに体調を崩してお薬が飲めず腎臓を悪くしたという方もおられます。どうしても飲めない時の対処法を話しておくことも大切です。今後は当院を退院されたのちは、地域の病院で治療を続ける患者さんが増えると予想されます。そのために地域の病院や保険薬局との連携が重要と考えています。
退院時には、お薬手帳に腎移植後であり免疫抑制剤服用中であることを記載しお渡ししています。お薬手帳を使用していただくことで、退院後に他院で風邪薬等を処方された時に副作用を防ぐことができます。
患者さんに安定した社会生活を送っていただくと嬉しいですし、「有難うございます」と言われたときは喜びとやり甲斐を感じます。
●日頃の勉強も必要ですか。
できれば認定薬剤師の資格を取得したいと考えています。勉強することで、業務の再確認もできるでしょう。腎臓領域では、腎機能に応じて薬の投与量を調節することが大切です。そのお薬が肝臓でどれだけ代謝されるか薬の特徴を把握していなければなりません。透析で除去されてしまう薬、除去されない薬がありますから特徴を把握していなければなりません。
先生に「透析で除去できるかな?」と質問されることがあります。薬をグループ分けして、脂溶性が強い、あるいは水溶性が強い薬など特徴を押さえておくとある程度判断することができます。臨床現場は、毎日が勉強です。
私は、もうすぐ産休に入りますが出産後は現場復帰の予定です。産休や現場復帰が明確になっているところが恵まれています。働きやすい職場環境は嬉しいですね。