防衛医科大学校病院 薬剤部 新海 愛子さん


チーム医療で学ぶ喜びと
薬の専門家として感じる責任


●薬学部を目指したきっかけは?

 母が薬局を経営しており、小さな頃から母の姿を見てきました。その頃は在宅医療は行われていませんでしたが、周辺に医療機関がなかったことからお薬を患家に届けたり、カレンダーへの配薬をしていました。
 現在の在宅医療のようなサービスを提供していたのです。その様子を見て、こういう仕事もあるんだと薬学部を目指しました。
 薬剤師になって母と知識を共有しています。共通の話題をもつことができて楽しく感じています。

●仕事の内容を教えてください。

 薬剤部は、大きく分けて調剤室と注射剤室、医薬情報室に別れています。調剤室と注射剤室を2ヶ月交代で担当します。
 午前中は、調剤・監査業務、麻薬の管理を行います。注射剤の部屋では、抗がん剤の調整、手術室の薬品管理や麻薬の管理です。
 午後は病棟活動を行い、私は外科病棟で肝胆膵外科の服薬指導を担当しています。
 麻薬は、薬の出し入れを管理しなければなりません。パソコン上の帳簿で数の管理です。また私は緩和ケアにも参加していますので、週1回緩和ケアのカンファレンスを行い、その後患者さんのもとに伺ってラウンドします。
 緩和ケアを担当しているのですから、緩和薬物療法認定薬剤師の資格を取得したいと考えています。また母の影響もあって在宅にも興味があります。病院は在宅に対応していませんが知識はもっていたいと考えています。

●日頃の勉強も必要ですか。

 病院薬剤師は、多岐にわたる仕事ができます。その代表がチーム医療です。手術室の薬品管理をしていると、カンファレンスの中で医師がどんな意図で処方しているかを知ることができます。また看護師や医療ソーシャルワーカーもまた違った視点で患者を見ていることがわかります。
 チーム医療の中で学ぶことが多い反面、薬のことは私が対応しなければと責任を感じます。チーム医療の中で薬の専門家として活動するには勉強が欠かせません。月3回の勉強会、学会、医療薬剤師会の勉強会など興味がある勉強会に参加して学んでいます。
 私は4年制薬学部を卒業しました。今実務実習で6年制の学生と接すると、薬理学の知識などしっかり身につけています。また症例解析など臨床系の知識も学んできます。私たちが社会に出て身につけたものを大学で学んでいるようです。
 また日本病院薬剤師会の要請で、外部講師として母校を訪問してお話をすることがあります。外部講師にも話しかけてくれますし、病院や薬局について積極的に質問されます。
 そんな時、私の友達が化粧品会社で研究職をしていたり、私たち病院薬剤師の業務ややり甲斐などを伝えています。

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