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バイエル・シェーリング・ファーマ社

バイエル・シエーリング・ファーマ社とOncoMed Pharmaceuticals社、がん幹細胞を標的とした新規抗がん剤開発に向けた戦略的提携へ。(2010/6/21)
・ Wntシグナル経路を標的とする多様な抗体医薬、タンパク医薬、低分子医薬の創薬と開発に注力。

ベルリン(ドイツ)、レッドウッドシティ(米国) 、2010年6月17日 ― 独バイエル・シエーリング・ファーマ社とOncoMed Pharmaceuticals(オンコメッド・ファーマシューティカルズ)社は、Wnt(ウィント)シグナル伝達経路を標的とする画期的な抗がん幹細胞剤(がん幹細胞を標的とする抗がん剤)の創薬、開発および製品化に向けた戦略的国際提携を発表しました。がん幹細胞は、がんの発症、転移および再発に重要な役割を果たしているがん細胞の一種であると考えられています。したがって、がん幹細胞の主要シグナル伝達経路の一つであるWnt経路を標的とする薬剤は、あらゆるがん種に対する治療薬として、その可能性を期待することができます。本戦略的提携により、バイエル・シエーリング・ファーマ社は、第Ⅰ相臨床試験終了までに抗体医薬およびタンパク医薬候補物質の独占権を行使することが可能となります。加えて、バイエル社とOncoMed社は、Wntシグナル伝達経路に作用する低分子阻害薬の創薬と開発に関する技術およびノウハウを共有します。

バイエル・シエーリング・ファーマ社 経営委員会メンバー・グローバル創薬研究責任者のアンドレアス・ブッシュ氏は、以下のように述べています。「がん治療にはアンメット・メディカル・ニーズ(未だ満たされない医療上の必要性)が多くあると考えています。このたびのOncoMed社との提携は、革新的ながん治療法の開発に対する当社の関心を示すものです。OncoMed社との抗がん幹細胞剤開発は、オンコロジー領域における当社のポートフォリオを補完する上で非常に革新的なアプローチです。抗がん幹細胞の研究は、今日のがん治療における未解明の領域の1つであり、謎を解く鍵となる可能性を秘めています」。

OncoMed社の社長兼最高経営責任者のポール・J・ヘイスティング氏は、「バイエル社との提携は、全く新しいクラスの抗がん幹細胞剤の創薬と開発に向けた大きな機会となるでしょう。両社は、抗がん幹細胞剤の可能性に対する展望を共有しており、我々は今後のバイエル社との密な協働に期待をしています」と語っています。また、ヘイスティング氏は以下のように述べています。「当社は、これまでにがん幹細胞に関わる多様なシグナル伝達経路を標的とした新薬候補物質の豊富なパイプラインを構築してきました。我々は、このたびの提携によって、これまで自社の強い財政状態のもと継続してきたWntシグナル伝達経路を標的とする治療薬の創薬と開発を支える重要な財源を、新たに得ることとなります」。

本契約の条件に基づき、バイエル社とOncoMed社は、Wntシグナル伝達経路を標的とする有望な新規抗がん幹細胞剤として、抗体医薬、タンパク医薬および低分子医薬の開発を行います。OncoMed社は一時金4000万米ドルに加え、バイエル・シエーリング・ファーマ社が新薬候補物質に対する独占権を行使した場合に現金支払いを、さらには、開発、製品化における各マイルストーンを達成した場合は、それに応じた追加報酬を得ることになります。本契約に基づく提携は、最大5つの候補物質を対象としています。契約内容には、バイエル社から近々支払われる可能性の高いマイルストーン達成報酬も含まれています。すべての生物学的製剤或いは低分子医薬候補物質が、第Ⅲ相臨床試験まで成功裏に開発され、審査当局の承認を得た場合、OncoMed社には、プログラムごとに最大で、生物学的製剤に対して3億8750万米ドル、低分子医薬に対して1億1200万米ドルが支払われるとともに、純売上高に応じた達成報酬も支払われます。

OncoMed社は、3つの有望なファート・イン・クラス(画期的医薬品)となる抗体医薬とタンパク医薬を臨床試験に進めるため、同社が所有するヒトがん幹細胞モデルを利用します。バイエル・シエーリング・ファーマ社は、第Ⅰ相臨床試験終了までに、抗体医薬及びタンパク医薬候補物質に対する独占権の行使が可能となります。独占権が行使された場合、バイエル社が新薬候補物質の開発と製品化を主導することとなり、承認後の製品を全市場で販売する権利を有します。OncoMed社は、製品の純売上高に応じた2桁の報酬を受け取る権利を得ます。契約内容には、OncoMed社が生物学的製剤をバイエル社と共同開発する場合の規定も含まれています。OncoMed社のWntシグナル伝達経路のリード抗体であるOMP-18R5も契約の対象に含まれており、2011年に臨床試験が開始される予定です。

生物学的アプローチに加え、バイエル社は社内の専門技術を生かし、Wntシグナル伝達を調節する低分子化合物の創薬と開発を主導します。OncoMed社は、候補物質の評価のために同社が所有するアッセイ技術とIn vitro(試験管内)及びIn vivo(生体内)化合物プロファイリング技術の供与を行います。OncoMed社は、開発された製品の純売上高に応じて、1桁の報酬を受け取る権利を得ます。




がん幹細胞とWntシグナル伝達経路について
がん細胞中に存在する小さく、堅牢な細胞であるがん幹細胞は、自己複製能と多分化能を有しており、がんの発症、増殖、再発及び転移に関与しています。がん起原細胞とも呼ばれるこれらの細胞は、OncoMed社の創設に携わった科学者達によって、最初に乳癌において発見され、続いて、頭頚部癌、肺癌、前立腺癌、膵臓癌、グリア芽腫といった多くの他の固形癌において確認されてきました。がん幹細胞は、標準化学療法および放射線療法の両者に耐性を示します。OncoMed社は、がん幹細胞の活性と生存に重要な役割を果たすと考えられている主要な生物学的経路を特異的に標的することにより、がん治療の向上を目指すことを戦略としています。OncoMed社の抗体医薬は、がん幹細胞タンパクを標的としており、幅広い固形癌を対象とした開発の可能性を有しています。
Wntシグナル伝達経路は、OncoMed社によって発見された、がん幹細胞活性を抑制するための重要な治療標的の1つです。これまでに、前臨床試験において、Wntシグナル伝達を標的とするモノクローナル抗体医薬候補物質の広域な抗がん及び抗がん幹細胞活性が、多様な固形癌タイプで確認されています。
http://byl.bayer.co.jp/scripts/pages/jp/press_release/press_detail/?file_path=2010%2Fnews2010-06-21.html

米国食品医薬品局 シプロフロキサシン吸入剤を嚢胞性線維症の治療で希少疾病用医薬品に指定(2010/3/25)
ドイツ・ベルリン、2010年3月11日 ― バイエル・シエーリング・ファーマ社(以下、BSP社)は本日、シプロフロキサシンドライパウダー吸入剤(DPI:dry powder inhaler)が、嚢胞性線維症(CF:cystic fibrosis)における緑膿菌に起因する慢性肺感染症の管理について、米国食品医薬品局(FDA)から希少疾病用医薬品の指定を受けたと発表しました。同様の指定はすでに、欧州医薬品庁(EMA)から受けています。シプロフロキサシンDPIは、薬剤と機器を組み合わせた革新的製品です。ノバルティスの特許であるプルモスフェア®技術を使って考案されたシプロフロキサシンドライパウダーと、革新的で使いやすい吸入器を組み合わせています。シプロフロキサシンDPIは現在、第II相臨床試験を実施中です。嚢胞性線維症における安全性と、1秒間努力呼気容量(FEV1)を指標として肺機能の改善能力を検討しています。

BSP社ジェネラルメディシン事業部グローバル責任者のジャン-フィリッペ・ミロンは、「シプロフロキサシンDPIがFDAの希少疾病用医薬品の指定を受けたことは、この生命を脅かす疾病を持つ患者さんにとってよいニュースです。シプロフロキサシンDPIが、世界中の嚢胞性線維症患者さんにとって有望で簡便な治療法のひとつとなるために検討しています」と述べました。

嚢胞性線維症は、肺、膵臓、肝臓や腸に影響を及ぼす致命的な遺伝性疾患です1。米国ではおよそ3万人が嚢胞性線維症に侵されています1。嚢胞性線維症財団のデータによると、2008年の米国における患者の生存年齢中央値は37.4歳でした2。主に膵機能不全と肺機能の低下をもたらします。 肺疾患は嚢胞性線維症に関連する死亡の約90%を占めます3。嚢胞性線維症では脱水状態にあり、粘度の高い気道分泌物は取り除くのが難しく、細菌にとって魅力的な環境となっています。そのため、感染や炎症の危険性が増大しています2。

嚢胞性線維症では、肺感染が慢性的な問題となっており、増悪と死亡の主な原因です3,4。特に、嚢胞性線維症に関連する感染では、緑膿菌が主な病原菌です5。肺の多量の粘液は細菌に理想的であり、嚢胞性線維症では若年齢のころから細菌によるコロニー形成と細菌感染がみられます。嚢胞性線維症の1歳未満児の約20%と、成人患者の80%からは喀痰に緑膿菌が見つかります6。緑膿菌の慢性的な感染は、嚢胞性線維症での肺機能悪化を促進し、増悪頻度の増加や死亡率増加と関連しています3,7,8。

現在の嚢胞性線維症に対する治療は根治的ではなく、患者さんは治療中に頻回する増悪や病的な状態、死亡の恐れに悩まされ続けており、新たな治療戦略が求められています。

シプロフロキサシン DPIの臨床試験
小児9と成人の嚢胞性線維症に対するシプロフロキサシンDPIの海外第I相臨床試験では、単回または複数回投与後、シプロフロキサシンの全身暴露は非常に少なく、肺では高い濃度に到達することが明らかになりました。また、新たな第I相臨床試験の結果は、シプロフロキサシンDPIが嚢胞性線維症での忍容性がよく、薬物治療と臨床的に関連する有害事象がないことを明らかにしました10,11,12。嚢胞性線維症の多国籍第II相臨床試験は、FEV1評価による肺機能改善を主要評価項目として実施中です。さらに、嚢胞性線維症でない気管支拡張症において、シプロフロキサシンDPIの全体的な細菌負荷と臨床転帰に対する影響を調べる第II相臨床試験も実施しています。
http://byl.bayer.co.jp/scripts/pages/jp/press_release/press_detail/?file_path=2010%2Fnews2010-03-25.html

独バイエル ヘルスケア社、米ジェンザイム社と新たな戦略的提携へ 収益性向上により、主要疾病領域へ集中(2009/4/1)
ベルリン(ドイツ)、ニューヨーク州タリータウン(米国)、2009年3月31日 ― ドイツ・バイエル ヘルスケア社は、本日、ジェンザイム コーポレーション社(マサチューセッツ州ケンブリッジ)との新たな戦略的提携に合意したことを発表しました。

本契約のもと、バイエルは、血液がん関連製品の権利をジェンザイムへ供与/返還します。このなかには、B細胞性慢性リンパ性白血病治療薬として、MabCampath/マブキャンパス或いはCampath/キャンパスの製品名で販売されているアレムツズマブの開発権及び販売権の返還と、Leukine/リューカイン(一般名:サルグラモスチム)とフルダラ(一般名:フルダラビンリン酸エステル)の既存及び将来の適応症における世界での独占的使用権の供与が含まれています。これにより、バイエルはジェンザイムから、ジェンザイムが達成する売上に応じたロイヤリティと達成報酬として、最大6億5000万米ドルを受け取ります。バイエルは、オンコロジー領域において、リソースをネクサバールと現在第Ⅱ相臨床試験中の開発品に投入します。

またこの契約に基づき、バイエルは、アレムツズマブの世界での販売権と開発権をジェンザイムに返還しますが、既に実施されているアレムツズマブの多発性硬化症(MS)を適応症とした共同開発は継続します。同剤の開発が成功し、アレムツズマブの多発性硬化症への適応が承認された場合、バイエルは、この適応症におけるアレムツズマブの世界での共同プロモーション権を行使します。またその場合、バイエルは、今後10年間に渡り、ジェンザイムの達成売上の20~35%にあたるロイヤリティとして、最大125億米ドルを受け取ります。契約によると、ジェンザイムが、2020年に達成報酬の債務を6億2500万~9億米ドルの幅で買い取らなかった場合、バイエルはジェンザイムから、売上に応じた多額の達成報酬を受け取ることになります。

バイエル ヘルスケア社CEOのアーサー・J・ヒギンズ氏は、「この合意は、ジェンザイムとバイエルに、明確な戦略上の利得をもたらします。バイエルにとっては、主要フランチャイズの2つを占める、がんと多発性硬化症の事業領域において収益性と今後10年間の財務計画が大幅に改善されます。また本合意は、多発性硬化症に関係する方々に対する我が社の責任を再び約束するものです。アレムツズマブの開発が成功し、多発性硬化症を適応症として承認された際は、本疾病領域における我々の経験と築き上げてきた人脈を、同コミュニティーに属する医療関係者と患者さんへの貢献に生かすことができるでしょう」と述べました。

ヒギンズ氏は、「この新たな提携は、バイエルとジェンザイムが更に協力しあって、アレムツズマブのオンコロジーと多発性硬化症両領域における可能性を最大化すると共に、将来有望な抗がん剤パイプラインの開発を促進するためのリソースを獲得するものです」と語っています。

今回の合意事項には、米国食品医薬品庁(FDA)認可の下で施行される米国のLeukine製造工場(ワシントン州シアトル)の移管も含まれます。ベルリン(ドイツ)とセグラーテ(イタリア)にあるバイエルの製造拠点は、ジェンザイムの製造委託業者として、引き続きフルダラの製造を続けます。

この決定により、バイエルでは約330名の社員(そのうち米国で250名、欧州で約20名)が影響を受けると予測されています。バイエルとジェンザイムは、今後のジェンザイムへのビジネスと製造業務の移管に伴い、これらの社員の継続雇用機会を検討します。

Campath或いはMabCampathとフルダラの2008年の世界売上は、それぞれ約7600万ユーロと1億ユーロです。バイエルはLeukineを米国でのみ販売しており、2008年の売上高は約4600万ユーロでした。

契約は、関係当局の審議を経て承認を受ける必要があり、両社は、2009年の第2四半期までの審査終了を見込んでいます。

アレムツズマブ(製品名:MabCampath或いはCampath)について
Campath®は、米国でB細胞性慢性リンパ性白血病(B-CLL)の単剤療法として承認されています。欧州ではMabCampath®の製品名で、フルダラビン併用化学療法が不適切なB細胞性慢性リンパ性白血病患者さんの治療薬として、承認されています。本製品は、米国では2001年に発売され、バイエル ヘルスケア ファーマシューティカル社によりCampathの製品名で販売されており、ヨーロッパではMabCampathとして、販売されています。アレムツズマブは、細胞表面に存在するCD52抗原に選択的に結合するヒト化モノクローナル抗体で、アレムツズマブが結合した細胞が人体の免疫システムにより破壊されると考えられています。B細胞性慢性リンパ性白血病患者さんの治療を目的として、米国食品医薬品庁(FDA)によって承認された世界初かつ唯一のモノクローナル抗体です。

Leukine/リューカインについて
Leukine®(一般名:サルグラモスチム)は、免疫細胞機能を賦活させて、感染や疾病と闘う能力を高める細胞増殖因子です。Leukineは、1991年に米国で承認され、バイエル ヘルスケア ファーマシューティカル社によって販売されています。Leukineは、急性骨髄性白血病(AML)の高齢患者さんを対象とした寛緩導入化学療法後の治療薬として、米国で唯一承認されている増殖因子であり、好中球数回復までの時間を短縮し、生命を脅かす重篤あるいは致死的な感染症の発症率を下げます。Leukineは、米国において、同種及び自家骨髄移植後の骨髄機能の回復における使用、末梢血幹細胞の動員における使用、末梢血幹細胞移植後の骨髄機能の回復における使用、骨髄移植後の生着不全または生着遅延時の使用の4つの適応追加を受けています。

フルダラについて
フルダラ®は、アルキル化剤による殺細胞性化学療法と異なり、新しいDNAの合成を阻害することによって、白血病細胞の増殖を抑制するプリンヌクレオチドアナログです。フルダラの静脈注射剤は、1991年に承認され、アルキル化剤による前治療で奏効しなかったB細胞性慢性リンパ性白血病の患者さんのセカンドライン治療薬として、世界98カ国で発売されています。また、フルダラ静脈注射剤はB細胞性慢性リンパ性白血病のファーストライン治療薬として62カ国で、低悪性度非ホジキンリンパ腫のセカンドライン治療薬として29カ国で承認されています。静脈注射剤と同様の効能を持つ経口剤は、欧州で2001年に承認されました。

ジェンザイム コーポレーション社について
ジェンザイム コーポレーション社は、世界のリーディング・バイオテクカンパニーの一つとして、難病を抱える人々のQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)の向上の為に努力を続けています。 ジェンザイムは、1981年に設立され、従業員数11,000人以上の多角経営企業に成長し、2008年の売上は46億ドルです。2007年には、革新的な技術の開発に対してアメリカ合衆国大統領から授与されるアメリカ国家技術賞(National Medal of Technology)を受賞しました。

ジェンザイムは、生命科学における最先端の技術開発、また、その技術を駆使した製品とサービスで、現在、世界約100カ国の患者さんに貢献するリーダー企業です。ジェンザイムは、主に稀少な遺伝病、腎臓病、整形外科、がん、移植、免疫疾患、診断検査分野における治療薬の開発やサポートに注力しています。これらの領域だけでなく、心血管系疾患、神経変性疾患、その他領域におけるアンメットニーズに対する開発プログラムによって、ジェンザイム社は革新を続けています。
http://byl.bayer.co.jp/scripts/pages/jp/press_release/press_detail/?file_path=2009%2Fnews2009-04-01.html

浜松ホトニクス社とバイエル・シエーリング・ファーマ社、がんの早期診断を目指したPETトレーサー開発でライセンス契約(2009/1/8)
浜松ホトニクス株式会社(本社:静岡県浜松市、代表取締役会長兼社長:晝馬輝夫)とバイエル・シエーリング・ファーマ社(本社:ドイツ・ベルリン、社長:アンドレアス・フィビヒ)はこのほど、がんの診断に関わる分子イメージング研究における新規物質の使用に関し、ライセンス契約を締結しました。この契約に基づき、バイエル・シエーリング・ファーマ社は全世界において、がん細胞と特異的に結合する一群の物質に関する研究開発および製品化の独占権を取得します。この物質をPET(ポジトロン放出型断層撮影)用のトレーサーとして用いることで、がんの診断を改善できる可能性があります。

開発者である浜松ホトニクス株式会社中央研究所の塚田秀夫PETセンター長は「今回開発したがんイメージング用のPET用トレーサーは、がん細胞が増殖するために必要な生体物質を、より多く細胞外から細胞内に取り入れるために活性化するメカニズムに着目して開発しました。ポイントは、正常細胞にも存在する同じメカニズムには認識され難いように、化合物の形に工夫を加えたため、正常組織とがん組織のコントラストが非常に良いことです。弊社で長年培ってきたPETによる分子イメージング技術のノウハウを注ぎ込んで、最適な化合物の選択を行いました」とコメントしています。

バイエル・シエーリング・ファーマ社のハンス・マイヤー診断薬事業部長は「このたびのライセンス締結により、弊社はがんの分子イメージング領域における製品群を理想的に拡充できます。医療現場では、より特異的ながんの診断が求められており、バイエル・シエーリング・ファーマ社はこれらの物質が将来、特定のがんの早期診断に寄与することを期待しています」とコメントしています。

契約対象の物質は、体内でがん細胞と特異的に結合します。この物質を放射性核種で標識することで、PET用のトレーサーとして使用できます。PETとは核医学画像診断手法のひとつで、例えばがん細胞などの分子プロセスを視覚化することができます。この新しいPET用トレーサーを用いることにより、従来のPETによるがん診断よりも、さらに正確な鑑別および病期判定、さらにはがん治療の有効性の早期判定が可能になると期待されます。

がんの診断について
がんは1981年以来、日本における死因のトップであり、近年では年間約32万9000人が命を落としています(2006年厚生労働省人口動態統計月報年計概数)。これは全死亡者数の3分の1を占めており、がんは国民の生命を脅かす大きな問題となっています。がん患者数の増加は世界においても指摘されており、WHOの付属機関である国際がん研究機関は、2010年にはがんが全世界の死因のトップになるとの研究結果を発表しています。この現状において、がんの診断、特に正確な病期診断は、予後と治療方針の決定において非常に重要です。

がんの多様なメカニズムは着実に解明されつつあります。今日、がん細胞と正常細胞には代謝や成長制御機構に違いがあることが知られており、この違いを利用して、がんの標的診断をすることができます。

現在、肺がんなどの悪性腫瘍の病期診断におけるPET用トレーサーとして、糖を放射性フッ素で標識した18F-デオキシグルコース(FDG)が一般的に用いられています。FDGは増殖速度の速い細胞に多く取り込まれます。FDGを用いたPETイメージングでは、がん細胞のみならず増殖細胞や代謝が活発な細胞、さらには炎症部位も検出されることから、悪性腫瘍細胞と他の(良性)の組織との鑑別には限界があります。しかし、がん細胞を標的とするトレーサーを使うことによって、将来的にはよりがんに特異的な診断かつ正確な病期診断ができる可能性があります。

バイエル・シエーリング・ファーマ社における分子イメージングの取り組み
分子イメージングは疾患の兆候を細胞または分子レベルで検出するもので、疾患の臨床的症状が現われる前に診断できる可能性を持つ手法です。これにより、がんや中枢神経系障害などの早期かつ正確な診断が可能になると期待されます。バイエル・シエーリング・ファーマ社は、分子イメージング領域において、標的とする細胞構造に対して高い選択性で結合する革新的な分子担体を用いた有望なアプローチ法を探求しています。それにより、疾患特異的な生物学的進行過程を分子レベルで画像化する手法の開発に寄与できるものと考え、神経変性疾患、がんおよび循環器疾患領域の診断を研究の中心テーマとしています。 バイエル・シエーリング・ファーマ社は分子イメージング領域で、スタンフォード大学(米国)、チューリッヒ工科大学(スイス)、長崎大学など、多くの研究機関と提携しています。

浜松ホトニクス株式会社について
浜松ホトニクスは、創業以来、一貫して光電変換素子とその応用製品の開発製造に従事し、光技術の進歩と共に歩んできました。
事業分野は、多くのノーベル賞研究者を支え、サイエンスを拓いてきた、極微弱な光検出ができる世界シェア70%の光電子増倍管や、高安定な紫外線光源である重水素ランプなどの光源を開発・製造する「電子管事業部」、小型軽量で信頼性の高い光半導体素子をはじめ、MEMS(マイクロマシン)技術にオプト(光学系)を加えたMOEMS技術のフロンティアとして超小型機器を開発・製造する「固体事業部」、X線から赤外線までの幅広い波長、極端に暗い微弱光領域、ごく短時間の光現象を観測する特殊なビデオカメラなどを開発・製造する「システム事業部」、高出力半導体レーザーを開発・製造する「レーザーグループ」に分かれています。「中央研究所」では、光技術の基礎研究から、光計測、光情報処理、脳・精神科学、バイオロジー、宇宙、天文といったさまざまな応用研究をしています。光技術でできることは幅広い分野に及びます。浜松ホトニクスは、光の素性を明らかにすることで、物質や生命のより深い知見を得て、そこから新しい産業を創成していこうと考えています。
http://jp.hamamatsu.com/

アカルボースによる2型糖尿病予防を国際糖尿病連合(IDF)が奨励(2007/5/10)
 2007年5月8日、ベルリン/バルセロナ ― 国際糖尿病連合(IDF)は、2型糖尿病予防における新たな合意声明を発表し、生活習慣の改善のみでは不十分な場合に、アカルボース(製品名:グルコバイ®)による治療を考慮するよう奨励した。国際的に評価の高い糖尿病専門医による会議で合意された本ガイドラインは、プレダイアベティス(前糖尿病)の人に最良の治療を提供するもので、2007年4月25日~28日にバルセロナ(スペイン)で開催されたプレダイアベティスとメタボリックシンドロームに関する第2回国際会議で発表された。また、その内容はDiabetic Medicine1(糖尿病医療)の5月号にも掲載された。

グルコバイの脳・心血管系疾患予防における エビデンス拡大を目的として、新たな臨床試験を開始(2007/4/26)
 ベルリン/バルセロナ ― 2007年4月25日から28日の間、バルセロナ(スペイン)で開催中のプレダイアベティス(前糖尿病)とメタボリックシンドロームに関する第2回国際会議において、ACE(Acarbose Cardiovascular Evaluation:アカルボースの脳・心血管系疾患予防における評価)試験の開始が発表された。この新たな臨床試験は、バイエル・シエーリング・ファーマが後援し、脳・心血管系疾患(CVD)の既往歴のあるプレダイアベティス(前糖尿病)の患者さんを対象に、バイエル社の経口糖尿病薬アカルボース(製品名:グルコバイィ)のCVD再発予防効果および2型糖尿病の発症予防効果を検討する。

脳・心血管系疾患(CVD)の再発予防を検討する臨床試験
 ACE試験はプラセボ対照無作為割付比較試験で、中国本土と香港の約150の専門施設において、CVDの既往歴のあるプレダイアベティス約7,500例の被験者を登録する。被験者はCVDの治療を行うとともに、アカルボースかプラセボを最低4年間投与される。この試験では、主要評価項目としてアカルボースがCVDの再発にどのような影響を与えるか(CVDの二次予防)を評価する。また、二次評価項目として、2型糖尿病の新たな発症(一次予防)について評価する。試験の最終的な結果公表は2013年に予定されている。

独社と診断薬関連特許の供与で契約(2007/1/19)
 日本農薬は、大正製薬及び放射線医学総合研究所分子イメージング研究センターと共同所有するアルツハイマー病等の神経疾患を診断するための画像診断薬に関連する特許を、バイエルグループの一員である製薬会社、バイエル・シェーリング・ファーマ社に供与するライセンス契約及びオプション契約を締結したので、お知らせする。  
 今回の画像診断薬に関連する特許は、日本農薬の高い化学合成技術を生かし大正製薬との共同研究から見出された化合物を起源として、大正製薬と日本農薬及び放射線医学総合研究所の研究成果に基づくもの。今後アルツハイマー病等の神経疾患の革新的な画像診断薬の開発が期待される。
http://www.nichino.co.jp/
http://www.taisho.co.jp