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大阪大学

細胞内を移動するタンパク質「ダイニン」が 動いているときの構造が見えた! —細胞内の物質輸送を行う分子モーターが動く仕組みの解明へ—(2015/9/15)
 中央大学理工学部 助教 今井 洋(元英国リーズ大学)、大阪大学大学院理学研究科 教授 昆 隆英、理化学研究所研究員 島 知弘(現東京大学大学院理学系研究科 助教)らの研究グループは、英国国立リーズ大学スタン=バージェス博士、ピーター=ナイト教授と共同で、細胞内で多種多様な物質輸送を行うタンパク質モーター「ダイニン」が駆動しているところを、低温電子顕微鏡法により直接観察することに成功しました。
 本研究をもとに、様々な疾患に関連したダイニンの変異体の可視化が実現すれば、将来、神経疾患や成長異常の原因の解明や治療などへの展開が期待されます。また、癌の原因の解明や治療への利用も期待されます。
 本研究成果は、英国のオンライン科学雑誌『Nature Communications』(日本時間平成27年9月14日(月)付)に掲載されました。
http://www.chuo-u.ac.jp/aboutus/communication/press/2015/09/35227/

B細胞が多発性硬化症の悪化を制御する仕組みを解明 (馬場准教授、黒崎教授、松本研究員らがImmunityに掲載)。(2011/5/2)
大阪大学免疫学フロンティア研究センターの馬場義裕准教授、黒崎知博教授、松本真典研究員らと理化学研究所免疫・アレルギー科学総合研究センター分化制御研究グループ(黒崎知博グループディレクター)による共同研究グループは、免疫細胞の一つである制御性B細胞に細胞外からカルシウムを流入させるカルシウムセンサー「STIM」が、多発性硬化症の悪化を抑制する仕組みを解明しました。

多発性硬化症は、脳、脊髄、視神経などに炎症が起こり、運動麻痺や感覚障害などの神経症状の悪化を繰り返す疾患です。我が国での患者数は人口10万人あたり8.9人程度と推定されています。多発性硬化症の発症や悪化のメカニズムは未だ明らかにされていませんが、神経繊維をさやのように覆っている髄鞘と呼ばれる組織を免疫細胞が破壊することにより引き起こされると考えられています。近年、「制御性B細胞」と呼ばれる免疫細胞集団がこの脳脊髄炎を抑制することが報告され注目されていますが、その抑制メカニズムは不明のままでした。

今回、研究グループは多発性硬化症に類似する脳脊髄炎のマウス実験モデルを用いて、制御性B細胞への細胞外からのカルシウム流入が脳脊髄炎を抑制することを発見しました。さらに、このカルシウム流入にはカルシウムセンターであるSTIMが重要であることを明らかにしました。実際、B細胞でSTIMを欠損するマウスでは、脳脊髄炎を抑制することができず、神経麻痺症状の重篤化が観察されました。これらの結果から、制御性B細胞においてSTIMの機能を人為的に制御することができれば、多発性硬化症に対する新たな治療法の開発につながるものと期待されます。
http://www.ifrec.osaka-u.ac.jp/jpn/research/2011/05/20110429-immunity.php

細胞中の小さな分子を小さなタグで検出(2011/3/22)
-生きた細胞のDNA複製をリアルタイムで観察-

JST 課題解決型基礎研究の一環として、理化学研究所の袖岡 幹子 主任研究員、大阪大学 大学院工学研究科の藤田 克昌 准教授らは、細胞中の小さな分子の動きを小さなタグを付けて観察することに成功しました。

薬などの小さな分子が細胞内のどこに動いていくのかを知ることは重要ですが、そのままでは調べることができません。そのため、注目する分子に別の蛍光分子注1)をタグとして結合させて蛍光顕微鏡注2)で検出する方法がよく用いられています。しかし、このタグは20~30個以上の原子でできた大きな分子であるため、注目する分子本来の性質が変わってしまうことが問題となっていました。

本研究グループは、2個の炭素原子と1個の水素原子からなる極めて小さな構造のアルキン注3)タグを用いた観察法を考案しました。アルキンは三重結合注4)を持つため、分子間の結合状態を観察するラマン顕微鏡注5)を用いることで検出が可能です。一方、細胞の構成分子には三重結合を持つものが少ないため、アルキンタグを付けた分子の細胞内での位置を調べることができます。この特徴を利用して今回、細胞がDNAを複製する時の材料となる2’-デオキシチミジン(dT)によく似た2’-デオキシウリジン(dU)にタグとなるアルキンを結合させた「5-エチニル-2’-デオキシウリジン(EdU)」を使って、その動きを調べました。EdUを人間の子宮頸がん由来の細胞(HeLa細胞)の培養液に加え、分子の動きをラマン顕微鏡で観察した結果、EdUが細胞に取り込まれた後、細胞核に集まっていく様子を観察することに成功しました。また、DNAが作られる周期もdTとEdUでほとんど変わらないことが分かりました。dTは31個の原子からなる小さな分子ですが、アルキンタグを付けたEdUもdTと同じような性質を示したと考えられます。この結果から、小さな分子の生細胞内での動きを観察するためにアルキンタグは有効であると分かりました。本研究成果は今後、生きた細胞の中で薬などの動きを観察する技術の発展に貢献するものと期待されます。

本研究成果は、米国化学会誌「Journal of The American Chemical Society」のオンライン速報版で近日中に公開されます。

※リンク先や写真、添付資料があります。詳細は下記URLをご覧ください。
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20110322/index.html

傷ついた視神経の再生を抑制するメカニズムを解明(2011/3/2)
(マウスの実験で視神経再生に成功)

JST 課題解決型基礎研究の一環として、大阪大学 大学院医学系研究科の山下 俊英 教授らは、傷ついた視神経の再生を抑制するメカニズムを明らかにするとともに、マウスを用いた実験で視神経を再生させることに成功しました。

視神経や脳・脊髄などの中枢神経は、いったん損傷すると回復が困難になります。この原因として、中枢神経の再生力が低いことに加えて、神経回路の再生を抑制する機構が存在していることなどが上げられています。近年、中枢神経の神経細胞の軸索注1)の周りを取り巻く髄鞘(ミエリン)注2)の中に、軸索の再生を阻害する因子(軸索再生阻害因子注3))が複数あることが特定され、これらの因子が損傷した神経回路の再生を阻止していると考えられています。

本研究グループは今回、軸索再生阻害因子と結合するPIR-Bたんぱく質の働きを分子レベルで分析することにより、神経細胞の軸索の再生を妨げるメカニズムを明らかにし、加えてチロシン脱リン酸化酵素注4)であるSHPがそのキーとなる役割を担っていることを見いだしました。SHPは、神経を成長させる因子の受容体であるTrkB注5)たんぱく質を抑制することで、神経細胞の軸索の伸展を妨げていました。また、マウスにおいてSHPの働きをブロックすることで、傷ついた視神経を再生させることにも成功しました。さらに、損傷した中枢神経の軸索を再生させるためには、軸索再生を抑制する因子による作用を取り除くだけではなく、軸索を成長させる作用を増強させることも必要であると分かりました。

今回得られた知見は、交通事故などの際に起こる視神経の損傷に対する新たな分子標的治療薬の開発につながるものと期待されます。

本研究は、東北大学 加齢医学研究所の高井 俊行 教授の協力を得て行われ、本研究成果は、2011年3月1日(英国時間)に欧州科学雑誌「The EMBO Journal」のオンライン速報版で公開されます。
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20110302/index.html

がん転移の原因タンパク質の構造解明(2011/1/17)
発表概要

脂質メディエーターリゾホスファチジン酸(LPA)の産生酵素であるオートタキシン(ATX)がLPAを産生するメカニズムを分子レベルで解明しました。 LPAはGタンパク質共役型受容体に作用し、多岐にわたる細胞応答を引き起こすことで、正常な発生過程における血管形成に必須な酵素タンパク質です。 一方で、がん、動脈硬化、肺線維症、神経因性疼痛など様々なヒト疾患に関与していることが知られており、創薬ターゲットとしても注目されています。 したがって、本研究成果は新規創薬開発の基盤となることが期待されます。 本成果は、「ターゲットタンパク研究プログラム」の一環として濡木理(東京大学大学院理学系研究科 教授)、青木淳賢(東北大学大学院薬学研究科 教授)、高木淳一(大阪大学蛋白質研究所 教授)、西増弘志(東京大学大学院理学系研究科 生物化学専攻 特任助教)により行われたものです。

発表内容
オートタキシン(ATX)は、血中に存在するリゾホスファチジルコリン(LPC)を加水分解し、リゾホスファチジン酸(LPA)を産生する酵素タンパク質です(図1)。 LPAは脂質メディエーターとして注目されているシグナル伝達分子であり、Gタンパク質共役型受容体(注1)であるLPA受容体に作用し、細胞増殖や遊走、創傷治癒、脳神経系の発達・分化、血管形成など様々な生命現象に関わっています。 一方で、元々ATXは悪性腫瘍から分泌され、自身の細胞運動性を促進する因子として発見されたタンパク質であり、実際に乳がん、肺がん、脳腫瘍など様々ながん細胞においてATXの発現が上昇していること報告されています。 また、がん以外にも、動脈硬化、肺線維症、神経因性疼痛など様々なヒト疾患に関与していることも報告されています。 しかし、ATXがLPAを産生する分子メカニズムの詳細はわかっていませんでした。

本研究では、マウス由来のATXと脂肪酸種の異なる5種類のLPAの複合体の立体構造をX線結晶構造解析(注2)によって決定しました(図2)。 その結果、これまで機能がよくわかっていなかったソマトメジンB様ドメイン(注3)とヌクレアーゼ様ドメイン(注4)が触媒ドメインの両側から相互作用し、触媒ドメイン中の疎水性ポケットの構造を安定化していることが明らかになりました。 5種類のLPA複合体構造中で、LPA分子の脂肪酸はそれぞれ異なる形に折れ曲がって疎水性ポケットに結合していることが明らかになりました(図3)。 これらの構造から、ATXが複数種のLPCを基質として切断する分子メカニズムが解明されました。 予想外なことに、活性部位に通じる疎水性チャンネルが存在し、そこに脂質分子が結合していることを発見しました(図4)。 疎水性チャネルを塞ぐような変異体酵素を作製し、解析したところ、LPA産生活性は保持されている一方で、細胞運動性促進活性が著しく低下していることを見出しました。 この結果から、ATXによって産生されたLPAは溶液中に遊離した後にLPA受容体に作用するのではなく、ATXのもつ疎水性チャンネルを通って効率的にLPA受容体へと受け渡されることが示唆されました。 すなわち、ATXはLPA産生酵素としてだけなく、LPA輸送タンパク質としても機能しているというモデルが提唱されました。

ATXはがん、肝硬変、肺線維症などの病態と深く関係することから、世界中の研究グループがATXの阻害剤の開発に取り組んできましたが、ATXの立体構造が不明だったこともあり、治療薬として使用可能な阻害剤は得られていませんでした。 本研究で得られた立体構造情報は、抗がん剤として有望な選択性と親和性に優れた阻害剤開発の基盤となることが期待されます。
発表雑誌
タイトル:Crystal structure of autotaxin and insight into GPCR activation by lipid mediators
(オートタキシンの結晶構造と脂質メディエーターによるGPCR活性化への知見)
著者:西増弘志,奥平真一,濱弘太郎,三原恵美子,堂前直,井上飛鳥,石谷隆一郎,高木淳一,青木淳賢,濡木理
米国科学誌「Nature Structural & Molecular Biology」2011年1月17日(日本時間)付でオンライン版に公開。
http://www.s.u-tokyo.ac.jp/press/press-2011-02.html

iPSから高効率に肝細胞 新薬開発で利用目指す(2011/1/6)
http://www.toonippo.co.jp/news_kyo/news/20110106010006881.asp

コラテジェン(HGF遺伝子治療薬)国内PⅠ/Ⅱ試験長期成績の医学雑誌掲載について(2011/1/4)
- 大阪大学における末梢血管疾患を対象とした遺伝子治療臨床研究 -

この度、大阪大学医学部附属病院で実施されたHGF遺伝子治療臨床研究の長期成績が、末梢血管疾患など血管疾患分野の著名専門誌である「Arteriosclerosis, Thrombosis and Vascular Biology(オンライン版)」に掲載されましたことをお知らせいたします。
この臨床研究はHGF遺伝子治療薬「コラテジェン」が初めてヒトへ投与された臨床試験で、血行再建術の適応が無くかつ既存の内科的治療が無効な閉塞性動脈硬化症あるいはバージャー病患者22例を対象に、コラテジェンが下肢の虚血部位に4週間の間隔をあけて2回筋肉内投与されました。
初期の少数例での遺伝子導入早期(3ヵ月後まで)の成績において、コラテジェン投与の安全性に問題がないことについては既に報告されています(Morishita R et al, Hypertension 2004;44:203-209)。
本論文では、全22例の遺伝子導入6ヵ月後までの安全性・有効性成績について報告されました。コラテジェンの投与を受けた患者では、下肢の血行動態の指標であるABPI(Ankle Brachial Pressure Index、下肢上肢血圧比)の上昇と相関して、下肢安静時疼痛や虚血性潰瘍が明らかに改善し、この効果は少なくとも6ヶ月以上継続して観察されました。この事実はコラテジェンの末梢血管疾患治療薬のProof of Conceptとしての重要な結果となります。また、安全性においてコラテジェン投与に起因する重篤な副作用は認められず、高い忍容性が確認されました。
http://atvb.ahajournals.org/cgi/content/abstract/ATVBAHA.110.219550v1
http://www.anges-mg.com/news/pdf/110104.pdf

マウスで妊娠高血圧の治療成功 スタチンを投与(2010/12/28)
http://www.toonippo.co.jp/news_kyo/news/20101227010008451.asp

理化学研究所と大阪大学が基本協定を締結(2010/10/8)
○理化学研究所と大阪大学は、連携・協力の推進に関する基本協定書に調印
○併せて生命動態システム科学に関する協力協定も締結

独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)と国立大学法人大阪大学(鷲田清一総長)は、両機関の包括的な連携・協力関係を推進するために、基本協定を締結します。

この協定の締結により、両機関の研究開発能力と人材などを活かした連携・協力が促進され、学術および科学技術の振興や人材育成に貢献することが期待できます。

また、生命動態システム科学に関する研究協力協定も併せて締結します。この協定に基づき、両機関では一層緊密な連携により新たに生命動態システム科学研究を推進して行きます。

2010年10月13日(水)午後12時50分より、東京・千代田区丸の内の理化学研究所東京連絡事務所にて、野依良治理事長と鷲田清一総長が出席し、協定の調印式を行います。
http://www.riken.go.jp/r-world/info/info/2010/101008/index.html

アルファジェンとアンジェスが「リポ蛋白を標的とした新規siRNA薬の開発」で共同研究基本合意(2010/9/27)
国立大学法人大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学森下竜一教授が株式会社アルファジェン(以下、アルファジェン)を参加者として検討を進めております「リポ蛋白を標的とした新規siRNA薬の開発」(以下、本テーマ)について、この度、独立行政法人科学技術振興機構が設けている研究成果最適展開支援事業A-STEP(以下、「A-STEP」という。)に採択されました。
アルファジェンと当社はすでに共同研究基本合意を締結しておりますが(平成22年8月9日付け当社プレスリリースhttp://www.anges-mg.com/ir/pdf/2010_08_09_goi.pdf。以下、基本合意)、本テーマがA-STEPに採択されたことに伴い、大阪大学森下竜一教授と協議の上、A-STEPにおける研究成果をアルファジェンと当社が支援し、さらに研究を推進することを前提として、両社は基本合意における共同研究に本テーマを加えることとし、協議の上詳細を決定していくことに合意いたしました。
高齢化社会が進む現代社会で生活習慣病の克服は喫緊の課題であり、動脈硬化の進展抑制は心筋梗塞や脳梗塞などの予防に繋がることが期待されております。両社の共同研究の目標は、動脈硬化の進展をもたらす危険因子を対象に、これまで有効な治療薬もなく、またリスクコントロールが全くできていない現実に鑑み、新しい核酸医薬を用いた治療法を確立することでリポ蛋白に起因する疾患に対する動脈硬化の新しい治療薬を提供することにあります。
http://www.anges-mg.com/news/pdf/100927.pdf

細菌べん毛のミクロのプロペラが形態をスイッチするナノ機構を解明(2010/1/15)
国立大学法人大阪大学と独立行政法人理化学研究所は、下記の共同研究チームが、低温電子顕微鏡法とらせん像再構成法により細菌の遊泳器官であるべん毛の超分子繊維構造を解析し、微小な生体プロペラの形成とスイッチの分子メカニズムの解明に成功したことを発表します。

 国立大学法人大阪大学(鷲田清一総長)と独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、下記の共同研究チームが、低温電子顕微鏡法とらせん像再構成法により細菌の遊泳器官であるべん毛の超分子繊維構造を解析し、微小な生体プロペラの形成とスイッチの分子メカニズムの解明に成功したことを発表します。これは、理研放射光科学総合研究センター(石川哲也センター長)タンパク質結晶構造解析研究グループの眞木さおり研究員、米倉生体機構研究室の米倉功治准主任研究員、大阪大学生命機能研究科の難波啓一教授の共同研究による成果で、米国科学誌「Nature Structural & Molecular Biology」の電子版で2010年3月14日(英国ロンドン時間)に公開されます。

(論文)
"Conformational change of flagellin for polymorphic supercoiling of the flagellar filament"
日本語訳:細菌べん毛繊維のらせん多型変換機構におけるフラジェリンの構造変化
Saori Maki-Yonekura, Koji Yonekura & Keiichi Namba.
Nature Structural & Molecular Biology, published online 14 March 2010


《研究の背景》
 細菌の運動器官であるべん毛は、約30種類の異なったタンパク質から構成されるナノマシンで、各部の構造は人工の電気モーターに驚くほど良く似ていています。回転子、固定子、反転制御装置、軸受け、自在継ぎ手、プロペラに相当する構造を持ち、これらを構成するタンパク質「パーツ」は、自ら組み上がる自己組織化能力を持っています(図1)。べん毛繊維は一種類の蛋白質フラジェリンが2万 ~ 3万個もらせん状に重合して形成するミクロのプロペラで、その長さは菌体長の約10倍、10 ~ 15μmにも達します。細菌の遊泳時には、べん毛繊維は緩やかな曲率を持つ超らせんと呼ばれる形態をとっていますが、餌となる化学物質に向かったり水温の低い場所から逃げたりする際は、1分間に約2万回もの高速回転をしているモーターが1ミリ秒程度で逆転し、この時、べん毛繊維のミクロの左巻き超らせん構造は一時的に右巻きに変換します。この形態変換機構には、L型とR型とよばれる、フラジェリン分子の2つの異なる立体構造が鍵を握っていることが知られていましたが、その詳細なメカニズムは謎のままでした。

《研究内容と成果》
 今回の研究成果を発表したグループは、2003年にR型の繊維構造を報告しましたが、その後も低温電子顕微鏡法とらせん像再構成の技術開発を進め、今回はL型繊維の原子モデルの構築に成功しました(図2)。その結果、L型とR型の構造の違いによって引き起こされるべん毛繊維の形態変換機構に関して、その分子メカニズムを明らかにしました。らせん繊維の形態変換を実現していたのは、べん毛繊維の中心にある二重円筒構造の内側の緊密な分子間相互作用と外側の柔軟な分子間相互作用で、生物ナノマシンの持つ柔らかい制御の仕組みが明らかになりました(図3)。こうして1960年代から謎であった、細菌の遊泳をコントロールするしくみの一端を解明することができました。今回の成果は、将来のナノテクノロジーの応用として、ナノモーターのプロペラの設計などにも役立てることができると期待されます。

《今後の展開》
 繊維構造を形成する超分子複合体は生体内に数多くありますが、結晶の作製が困難で、X線結晶解析法による高分解能での分子構造解析は極めて困難です。今回の結果は、結晶を作成することなく、生体超分子の自然な機能構造を解析できる手法の開発という点でも、きわめて重要であると考えられます。
http://www.spring8.or.jp/ja/news_publications/press_release/2010/100315

シワの改善に効果のあるシクロデキストリン包接トレチノインを開発(2009/7/29)
大阪大学美容医療学寄附講座(矢野健二教授、高田章好准教授)とノエビアグループの常盤薬品工業株式会社(本社:東京都港区、社長:大倉 尚)は、共同でシワの改善効果があり刺激の少ない新しいトレチノイン*(シクロデキストリン包接トレチノイン)を開発し、ヒトにおいて有効性と安全性を評価しました。この結果を第27回日本美容皮膚科学会(2009年8月1・2日)にて、報告致します。

*:ビタミンA(レチノール)の誘導体で、生理活性は化粧品に配合可能なビタミンAの約50-100倍あり細胞の増殖やコラーゲンやヒアルロン酸の産生促進など肌を活性化する働きがあります。トレチノインは米国では、シワ・ニキビの治療医薬品としてFDA*2に認可されており、多くの患者さんに皮膚の若返り薬として使用されており、RENOVA(J&J社製)、Retin-A(Ortho Neutrogena社製)などの製品があります。日本では医師の処方によるいわゆる院内製剤として、美容治療に用いている医療機関もあります。
http://www.tokiwayakuhin.co.jp/news/2009/07/post090729-1.htm

大阪大学美容医療学寄附講座と共同で美容意識調査を実施(2009/4/21)
大阪大学美容医療学寄附講座(矢野 健二教授)とノエビアグループの常盤薬品工業株式会社(本社:東京都港区、社長:大倉 尚)は、美容外科に対する不安や不満の原因となっている診療価格に対する調査を行いました。

この結果を第52回日本形成外科学会総会ランチョンセミナー「美容医療の展望2009」 (4月23日、パシフィコ横浜)にて報告いたします。

【調査結果の概要】

Ⅰ.美容外科診療に不安を持つ理由として、『価格の不明瞭さ』

Ⅱ.美容外科診療5分類14項目のうち、価格差の最も大きい項目は7.4倍差

インターネットに掲載のある診療価格について、チェーン医療機関と開業医の医療機関とを区別して美容外科診療の5分類14項目の調査を実施しました。

美容外科のホームページ掲載価格のばらつきに関して、各項目の最低価格と最高価格の比率を調べたところ、最低価格と最高価格の差が3倍以上ある項目は10項目(10/28項目)、5倍以上差がある項目は4項目(4/28項目)でした。この結果から美容外科手術のホームページ掲載価格差の実態が明らかとなりました。

この調査の結果から、価格差が大きく、総費用に関する情報がない等、価格の不明瞭さが美容外科への不安や不満の原因となっているものと考えられます。

今後、美容外科診療に関して、学会が主体となり治療ガイドラインの制定、治療標準価格の目安の設定、総費用の提示を含む契約や解約のルール化などの基準や規範作りを行うことにより、美容医療全体の透明性が増し社会からの信頼回復に繋がるものと考えます。
http://www.tokiwayakuhin.co.jp/news/2009/04/post090421_2.htm
http://www.tokiwayakuhin.co.jp/news/2009/04/documents/2009KeiseigekaGakkaiSokai090421_2.pdf

大阪大学大学院医学系研究科との共同研究推進施設 「医薬分子イメージングセンター(仮称)」の設立について(2009/3/16)
塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功、以下「塩野義製薬」)は、大阪大学大学院医学系研究科(研究科長:平野 俊夫)との分子イメージング技術に関する共同研究を推進するにあたって、大阪府吹田市の大阪大学構内に「医薬分子イメージングセンター(仮称)」を設立することを同研究科と共同で計画してまいりました。このたび、本施設を設立することについて基本合意に達しましたのでお知らせ致します。
塩野義製薬は、PET/MRI* に関する最先端の技術開発に取り組んでいる大阪大学大学院医学系研究科との分子イメージング技術に関する共同研究を推進するため、同研究科が所有するラジオアイソトープ実験棟の北側部分を改修し、自己遮蔽型サイクロトロンを含む最新のPET関連設備を有する「医薬分子イメージングセンター(仮称)」を共同で設置することといたしました。当社としては、共同研究等を通じて本施設を使用し、PETにより分子レベルで生体内現象を捉え、非臨床から臨床へのトランスレーショナルリサーチを推進することで、創薬研究の効率化と臨床試験の成功確率を向上させ、新薬の創製をより確実にすることができると考えています。また、塩野義製薬は大阪大学大学院医学系研究科に分子イメージング技術研究のための寄附講座の設置を計画しており、この寄附講座での研究と共同研究により当社の創薬活動を推進してまいります。
当社が共同研究や寄附講座での研究活動を通じて、本施設を利用することにより産学連携の理念に則った研究交流を促進すると共に、非臨床研究から臨床研究への橋渡しを容易にすることで、より優れた医薬品を一日でも早く患者様の元へ届けることができるものと期待しております。

*PET/MRI(Positron Emission Tomography/Magnetic Resonance Imaging;陽電子放射断層撮影/磁気共鳴画像法):生体機能情報と形態情報を同時に測定する機能・形態融合型画像診断装置

【医薬分子イメージングセンターの概要(予定)】
■名称: 大阪大学大学院医学系研究科 医薬分子イメージングセンター(仮称)
■建物: 建築面積 約500㎡、ラジオアイソトープ実験棟(3階建て)の一部
■所在地: 〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-2 大阪大学吹田キャンパス内
■総工費: 約4億円
■建設スケジュール: 平成21年3月着工、平成22年4月竣工
■設計、施工会社: 住友重機械工業(株)

また、塩野義製薬と大阪大学大学院医学系研究科は、上述の協力関係を更に広く創薬に結びつけるため、双方の研究者を対象としたFLASH(PHarma-Link between Academia and SHionogi)という研究テーマの応募イベントを開催し、共同研究テーマの発掘を行う予定です。FLASHは単なる研究助成の仕組みに留まらず、双方の若手研究者の交流と人材育成を担うものであり、産学連携の新しいスタイルを探るモデルケースになるものと考えています。このイベントから生まれる萌芽的な共同研究が将来の創薬シーズとして育ち、病気に苦しむ世界の人々を救う新薬の創出に繋がることに期待いたします。
http://www.shionogi.co.jp/ir/news/detail/090316-2.pdf

国立大学法人大阪大学と独立行政法人情報通信研究機構との 脳情報通信分野における融合研究に関する基本協定の締結(2009/1/5)
世界最高水準の脳計測技術の実現
「いつでも、どこでも、誰にでも、こころも」伝える人にやさしい
情報通信を目指す産学官連携の脳情報通信融合研究プロジェクトを始動

国立大学法人大阪大学(以下「大阪大学」という。総長:鷲田 清一)と独立行政法人情報通信研究機構(以下「NICT」という。理事長:宮原 秀夫)は、「情報通信分野における連携推進に関する協定」(平成19年2月22日締結)の下、生体情報通信分野のうち、主として脳情報通信(脳とのかかわりにおける情報通信)の分野における融合研究プロジェクトを開始します。(詳細:補足資料参照)


今般、両者間で「脳情報通信分野における融合研究に関する基本協定」を締結するに至り、平成21年1月7日(水)にNICTにおいて、別紙の要領で調印式を行います。

大阪大学とNICTは従来から、フォトニックネットワーク技術、バイオICT、ナノICT等に関する共同研究、連携大学院協定、研究員の受け入れなど多様な連携を実施し、数多くの成果を挙げてきました。このたび両機関は、脳情報通信分野における基礎から応用展開までの研究開発を一体的かつ効果的に実施するため、産学官の他の機関との連携も強化しつつ融合研究プロジェクトを開始し、脳情報通信の研究開発の流れを一気に加速させ、「脳の機能に学んだ新世代のネットワーク」や「「こころ」を伝えることができる情報通信」の実現を目指します。

つきましては、報道関係者への説明会を開催いたしますので、報道関係者の皆様には多数のご出席をいただきたくご案内申し上げます。

補足資料

1.背景

 大阪大学では生体メカニズムの情報システムやロボットへの応用を目指す学際的な研究開発プロジェクトである「ゆらぎプロジェクト」など、情報科学と医学・生命科学等の他の研究分野の知見を融合した脳情報通信のキーとなる研究にいち早く取り組み、工学、情報科学、物理学的アプローチを取り入れた世界的にもユニークな脳機能研究を、組織的に展開しています。

 一方、NICTでは、脳情報通信に関して、政府方針に基づき、第2期中期計画の下、非侵襲脳活動計測の統合・高度化、脳活動計測による客観的評価指標の構築など、脳のメカニズムを解明し、それを未来の情報通信に応用するための技術の研究開発に取り組んでいます。
 このような中で、特に、学際的な研究分野である脳情報通信分野において、脳機能の原理解明から、その社会への応用を図る上で、科学(基礎的研究)と工学(応用的研究)のそれぞれの領域で高い知見を有する機関が、研究開発を協働して行うことが益々重要となっています。
 このため、「情報通信分野における連携推進に関する協定」(平成19年2月22日締結)の下、これまで実施してきた大阪大学とNICTとの連携をさらに推進するとともに、産学官の他の機関との連携も強化しつつ、脳情報通信分野における基礎から応用展開までの研究開発を一体的かつ効果的に実施するため、融合研究プロジェクトをスタートするものであり、今般、その確実かつ適切な実施を確保するため、本協定の締結を行うものです。

2.協定 ・ プロジェクト概要

(1) 基本理念
[1] 貢献原則
我が国の、さらには世界のトップクラスの叡智の結集を図り、また、産学官の連携・協力を一層強化することによって、最大限の成果を実現し、科学技術の発展はもとより、国民生活の向上及び経済社会の発展に寄与するとともに、人類の福祉の向上に貢献します。

[2] オープン原則
大阪大学とNICTとの連携を軸に、グローバルかつ多分野の知見の融合による開かれた先端的融合研究の実現を目指すとともに、その成果を広く世界に展開します。

[3] 統一原則
脳情報通信分野にかかわる政府の指針を強く認識し、他の研究機関との適切な役割分担、効果的な連携の下、その具現化に主要かつ主体的な役割を果たすことを目指します。

[4] 尊厳原則
生命の尊厳の重要性を常に認識して研究を行います。

[5] 育成原則
プロジェクトの実施を通じて、脳情報通信研究を担う人材の育成に貢献します。

(2) 目的 ・ 研究テーマ
[1] 脳の機能に学んだ新世代のネットワークの実現
膨大な数の神経細胞を有する極めて複雑な組織体である人体を、様々な環境の中で制御している脳の機能を解明することにより、爆発的に増大するトラフィックニーズに対応でき、拡張性、頑強性、自律性、環境適応性、自己修復性等に優れ、かつ、極めて低エネルギー消費の新世代のネットワークの実現に寄与します。

[2] 「こころ」を伝えることができる情報通信の実現
人の目、耳といった器官を通じることを前提として、視覚情報や聴覚情報の伝達を行う現在の情報通信の方法では伝えきれないアイデア、イメージ、感動、感情など様々な心の状態を情報として伝えられるようにするため、脳の働きと伝えたい情報の相互関係を計測・分析し、把握します。

[3] 新しい情報通信パラダイムの創出
これら脳情報通信に関する研究開発により、「いつでも、どこでも、誰にでも、こころも」伝える新たな情報通信パラダイムの創出を目指します。

(3) プロジェクトの体制
大阪大学とNICTとの連携を軸に、株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)等脳情報通信の分野において優れた業績を挙げている研究機関における研究者のみならず、医学、工学等の脳情報通信の分野以外の研究者等の参画を積極的に求め、脳情報通信分野の先端的融合研究を実施します。

(4) 世界最高水準の脳計測技術の実現
脳の作用をより精密に把握し、脳情報通信の研究開発を加速させるため、最先端の高機能な脳計測装置等を整備し、脳内の神経活動や化学物質代謝を直接計測できる世界最高水準の脳計測技術の実現を目指します。

3.今後の予定

大阪大学とNICTとの間で、プロジェクトの運営・研究体制、具体的な研究項目やプロジェクトの実施のために必要な研究環境等について検討を行い、既存の施設・設備を有効に活用しつつ、大阪大学吹田キャンパス内において、予備的な研究作業や共同研究をスタートさせる予定です。
• 当面、具体的なプロジェクトの形成に向けて予備的に調査

• 産学官から参画を得ながら徐々にプロジェクトの体制を整備

• 今後3年を目途に、脳情報通信の研究開発における基盤技術となる世界最高水準の脳計測技術を確立

• 融合研究を本格化
http://www2.nict.go.jp/pub/whatsnew/press/h20/090105/090105.html

精神神経分野における創薬コンソーシアム「ネディック」設立のお知らせ 製造販売承認申請のお知らせ(2008/10/23)
 大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、社長:多田正世)は本年11月に、国立大学法人大阪大学(本部:大阪府吹田市、総長:鷲田清一)大学院の医学系研究科、薬学研究科の計5講座とともに「精神神経創薬コンソーシアム」〔略称:NDDC(ネディック)、Neuropsychiatry Drug Discovery Consortium〕を設立しますので、お知らせします。

 統合失調症やうつ病に代表される精神疾患は、罹患者数が多く、Quality of Lifeに与える影響が大きいため、その有効な治療法が求められています。これらの精神疾患の薬物治療においては、過去50年間に亘って、“セレンディピティ(幸運な偶然による科学的発見)”に端を発して創製された薬剤が最も大きな役割を果たしてきました。
 しかしながら、近年の精神疾患基礎研究の急速な進展により、遺伝子/分子レベルでの疾患発症機序に立脚した創薬が行える環境が整いつつあり、従来の治療薬にはない特長を有する革新的治療薬が創製される可能性があると期待されています。

 大日本住友製薬は、精神神経領域を研究指向領域の一つと位置づけ研究開発を推進しており、統合失調症治療剤としては、自社開発の「ルーラン(R)」、「ロナセン(R)」等を販売中であり、「ルラシドン」(一般名)をグローバルに開発中です。さらに、精神疾患分野における基礎研究の臨床への応用に貢献するために、本年10月に大阪大学大学院医学系研究科に「 分子精神神経学(大日本住友製薬)」の寄附講座を開設しました。
 大阪大学大学院においては、複数の精神疾患リスク遺伝子に関する研究が医学系研究科と薬学研究科の連携により進められています。このような遺伝子レベルの研究に加え、細胞レベル、生体レベルの各階層の研究も並行して行われており、分子から生体までの包括的研究体制が整っています。

 精神神経領域で研究開発経験を有する大日本住友製薬と精神疾患発症機序に関する包括的な研究に実績を有する大阪大学大学院の医学系研究科・薬学研究科が、精神神経創薬コンソーシアムを設立し、共同研究をすることにより、基礎研究の臨床への応用を促進し、精神疾患分野における医療に大きく貢献できるものと期待しています。また、他のアカデミアが今後この創薬コンソーシアムに参画することを検討しています。

難治性炎症性疾患を対象とする 新規核酸ハイブリッドデコイの産学4者共同研究開発のお知らせ(2008/9/30)
 アンジェスMG株式会社(以下、アンジェス)は、株式会社ジーンデザイン(以下、ジーンデザイン)、ホソカワミクロン株式会社の研究開発子会社株式会社ホソカワ粉体技術研究所(以下、ホソカワ)および大阪大学大学院医学系研究科(以下、大阪大学)との間において、難治性疾患として医療ニーズの高い、難治性炎症性疾患に対する医薬品開発を目指す産学4者共同研究開発を開始いたしましたのでお知らせいたします。

 本共同研究開発では、既存の核酸医薬品より優れた特徴を持つ新規核酸ハイブリッドデコイの大量合成法の確立および難治性炎症性疾患の動物モデルを用いた薬効評価試験の実施、更には、同デコイをPLGAナノ粒子に封入するDDS技術の開発と製剤化研究が行われます。最終製剤の決定後には、安全性試験、薬物動態試験等を計画しています。

 なお、本共同研究開発プロジェクトは、近畿経済産業局の平成20年度地域イノベーション創出研究開発事業の助成対象として採択され、4者に対し、平成22年3月末までに合計約150百万円が助成されます。

<開発の概要> -新規核酸ハイブリッドデコイについて-
 ハイブリッドデコイとは、従来の二本鎖デコイおよびリボン型デコイ(末端領域をサークル状に修飾した改良型デコイ)の開発過程で培った技術を基にアンジェスとジーンデザインが互いの技術を融合させて開発した、生体内安定性を向上させた次世代型のNF-κBデコイです。

●新規核酸ハイブリッドデコイの従来型二本鎖デコイに対する優位性
 (1)NF-κBたんぱく質に対する阻害活性が従来型に比べ約10~100倍向上。
   さらに、血漿中の核酸分解酵素に対する耐性の向上により、優れた生体内安定性を示す。
 (2)新規構造の採用により、製造工程が簡略化され、製造コストの削減に繋がるとともにスケールアップも比較的容易となる。
 (3)生体内安定性の向上により、全身投与が可能な薬剤開発を目指すことが可能となる。

<産学4者の役割>

【これまでの各社の研究成果】
 ・ジーンデザインでは、従来のリボン型デコイの課題であった煩雑な製造工程と二本鎖デコイに比べ割高な製造コストの問題を解決するため、分子構造の基本に立ち戻って見直しを行い、リボン型デコイの長所である生体内安定性を維持したまま製造工程を簡略化できる新規構造を見出しておりました。
 ・一方、アンジェスでは、従来型の二本鎖NF-κBデコイの阻害活性を更に向上させた配列構造を見出しておりました。
 ・また、ホソカワは、前述の様に、200ナノメートルの生体適合性高分子PLGAのナノ粒子に薬剤成分を封入し、PLGAナノコンポジットの持つ吸収性と徐放性を活用したDDS技術を確立しております。

【今回の共同研究開発での各々の役割】
・ジーンデザイン
 試験研究用のハイブリッドデコイの製造およびアンジェス、ホソカワおよび大阪大学への提供。
 2009年稼動予定の核酸医薬品のGMP 製造施設を利用したハイブリッドデコイの大量製造法の開発を予定。
・ホソカワ
 生体組織および細胞への取り込み効率を高めるためのハイブリッドデコイのDDS製剤化研究の実施。
・アンジェスと大阪大学
 炎症性疾患の動物モデルを用いたハイブリッドデコイの薬効評価の実施。
 さらに、安全性試験、薬物動態試験等を予定。

大阪大学に「カネカ・エネルギーソリューション共同研究部門」を創設 ―エネルギー効率の高い基盤技術の実用化を目指す― ※ニュースリリースを原文のまま紹介しています。(2008/4/16)
 株式会社カネカ(本社:大阪市。社長:菅原公一)は、本年4月より、大阪大学(本部:大阪府吹田市。総長:鷲田清一)に「カネカ・エネルギーソリューション共同研究部門」を創設し、共同研究をスタートする。大阪大学が2006(平成18)年4月に民間企業と研究連携を図るために設置した「共同研究講座制度」(*)に参画し、カネカより研究資金の拠出と研究者の派遣、大阪大学からは研究施設の提供と研究者の派遣を行い、共同研究を推進する。共同研究部門の概要については下記の通り。

(共同研究部門概要)
 1.名 称:カネカ・エネルギーソリューション共同研究部門
 2.場 所:大阪大学先端科学イノベーションセンター(センター長:馬場章夫)
 3.期 間:2008(平成20)年より3年間
 4.研究人員:初年度8名(大阪大学より4名、カネカより4名)
        大阪大学から専任教授2名、兼任教授1名、助教1名
        カネカから教授1名、准教授2名(いずれもPh.D.)、研究員1名で構成
 5.拠出額:約5000万円/年

 共同研究テーマについては、下記2テーマを設定して基盤技術の確立と実用化を目指す。

 ●省電力技術として注目を集める「次世代有機EL照明デバイス」の開発
  有機半導体、有機電子材料の可能性に着目し、当社が太陽電池の研究開発で培ってきた薄膜形成技術を応用して、有機EL照明デバイスの発光効率の向上、長寿命化、最適な製造プロセスの基盤技術を開発する。近い将来、蛍光灯の代替として省エネルギーの照明デバイスの実用化を目指す。

 ●光電変換効率を大幅に向上させた有機薄膜太陽電池の開発
  カネカの得意な薄膜シリコン系太陽電池と組み合わせることを狙いとして、上記有機ELの研究で蓄積される技術・ノウハウを応用展開して赤外領域の光を利用した発電可能なデバイスを開発し、光電変換効率15%達成を目指す。

 上記分野において、カネカは世界有数の研究拠点である大阪大学と連携することにより、環境性と経済性に優れた「エネルギー利用効率の高い次世代有機ELと有機薄膜太陽電池」の実用化に向け、基礎研究、応用研究を加速推進し、環境技術に貢献するエネルギーソリューションを提供していく。

(*)文部科学省が進める「スーパー産学官連携本部」のモデル事業の一つで、大阪大学の研究者(教員)と出資企業の研究者が同じテーマに共同に取り組む研究組織。企業側が研究費や人件費を拠出し、大学側が学内にスペースを提供する。吹田キャンパス内に研究室を持ち、学内の実験装置を利用することができる。企業から出向する研究者は教授、准教授となり、大学側から参加する研究者と共同研究を実施する。

環境配慮型次世代生産技術の共同研究に合意(2007/8/27)
 大阪大学大学院工学研究科とシャープは、液晶と太陽電池等のモノづくりを革新する環境配慮型次世代生産技術に関する共同研究講座を設置し、省資源でかつ省エネルギーのクリーンなモノづくりに貢献する基盤技術の確立を目指すことで合意した。

亜鉛が細胞内の情報伝達役を担っていることを発見(2007/5/14)
 理化学研究所と大阪大学は共同で、亜鉛が細胞外からの刺激を細胞内に伝える情報伝達役(セカンドメッセンジャー)として働くことを発見した。
 細胞内セカンドメッセンジャーとして、例えばカルシウムがよく知られている。細胞内には、「小胞体」とよばれるカルシウムの貯蔵庫があり、細胞外から刺激が来ると、小胞体からカルシウムが細胞質内へ放出され(カルシウムウエーブ)、細胞内に信号を伝える。  研究グループは、免疫担当細胞の一つである肥満細胞を刺激すると小胞体付近から亜鉛が放出される現象を世界ではじめて発見し、「亜鉛ウエーブ(Zinc wave)」と名付けた。この亜鉛ウエーブは、細胞内の脱リン酸化反応を調節しており、細胞の様々なシグナル伝達に関与すると考えられた。さらに肥満細胞では、亜鉛ウエーブが、免疫に関与する重要な遺伝子の発現を制御していることがわかった。
 これらの結果は、まさにカルシウムが小胞体から放出されるのと同様に、亜鉛がセカンドメッセンジャーとして働くことを示している。
 本研究の成果は、米国の科学雑誌『The Journal of Cell Biology』5月21日号(オンライン版5月14日)に掲載される。

桂花の香りに穏やかなダイエット効果と心的ストレス軽減効果を発見 穏やかなダイエット効果と心的ストレス軽減効果を発見(2007/3/13)
 (株)カネボウ化粧品・製品開発研究所と大阪大学大学院人間科学研究科・山本隆教授の研究室は、「桂花(けいか)」(Osmanthus fr.)の香りに穏やかなダイエット効果と心的ストレス軽減効果を発見した。
 また、当社は中国の「桂花」と日本の「キンモクセイ」との香りの相違についても明らかにすることができた。
 今回発見した「桂花」の香りは、現代人が抱えがちな悩みのひとつである「肥満」を、自然の花特有の優しい作用により、今までにないアプローチで解決する可能性を秘めているといえる。

細菌による薬剤耐性の仕組み解明(2006/8/17)
 大阪大学産業科学研究所の村上聡助教授の研究グループは、細菌による薬剤耐性の仕組みを解明した。細菌が認識した薬剤を排出するメカニズムを原子レベルで突き止めた世界初の成果。細菌の細胞膜にあるトランスポーター(膜たん白質)と、薬剤が結合した複合体を解析して排出時の構造をとらえたもの。同たん白質は、さまざまな薬剤に結合し3つのパーツが回転するように薬剤を細胞外に追い出し、多剤に対応する仕組みをもつことがわかった。薬剤耐性菌やがん細胞の排出機能を回避できる治療薬や、有効性が低下した医薬品の薬効を復活させるトランスポーター阻害剤開発など新たなブレークスルーに導く成果。

ミサイルドラッグ用DDSナノ粒子の作製に成功(2003/11/13)
 産業技術総合研究所 ナノテクノロジー研究部門と大阪大学医学部眼科学教室(教授 田野 保雄)のグループは、炎症性疾患治療用アクティブ・ターゲティングを可能にする糖鎖導入型のDDSナノ粒子を作製した。世界で初めて。そして、炎症性疾患モデルとしての眼炎症モデルマウスを作成して、この標的指向性DDSナノ粒子が炎症疾患組織へ標的分子としてのレクチンを利用して疾患部位選択的にアクティブ・ターゲティングされることを実証した。
 本技術開発によって、炎症性疾患全般(脳炎、網脈絡膜炎、肺炎、肝炎、関節炎など)、続発的に炎症を引き起こす疾患(悪性腫瘍、リウマチ、脳梗塞、糖尿病、アルツハイマー病など)の治療に応用可能なDDS製剤開発を加速する。