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(独)国立がん研究センター

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成人 T 細胞白血病リンパ腫における遺伝子異常の解明(2015/10/5)
概要
成人 T 細胞白血病・リンパ腫(adult T-cell leukemia lymphoma: ATL)は、日本を主要な流行地 域の一つとするヒト T 細胞白血病ウイルス 1 型(human T-cell leukemia virus type-1: HTLV-1) 感染によって生じる極めて悪性度の高い血液がんの一つです。乳児期に HTLV-1 ウイルスに感 染した T 細胞に、数十年間にわたってさまざまな遺伝子の変化が生ずることによって ATL の発症 に至ると考えられていますが、従来こうした遺伝子の変異については多くが不明のままでした。
今回、京都大学大学院医学研究科 腫瘍生物学 小川誠司 教授、宮崎大学医学部 内科学講 座消化器血液学分野(第二内科)下田和哉 教授、東京大学医科学研究所附属ヒトゲノム解析セ ンター 宮野悟 教授、国立がん研究センター研究所 がんゲノミクス研究分野 柴田龍弘 分野長、 京都大学ウイルス研究所 ウイルス制御研究領域 松岡雅雄 教授、東京大学大学院新領域創 成科学研究科 メディカルゲノム専攻 渡邉俊樹 教授を中心とする研究チームは、約 400 例の ATL 症例の大規模な遺伝子解析を行い、ATL の遺伝子異常の全貌を解明することに成功しまし た。本研究では、全エクソン解析・全ゲノム解析・トランスクリプトーム解析などの次世代シーケン サーを用いた解析およびマイクロアレイを用いたコピー数異常や DNA メチル化の解析を組み合 わせて、さまざまな遺伝子の異常を包括的に明らかにしました。この大規模なデータ解析は、東 京大学医科学研究所附属ヒトゲノム解析センターと共同でスーパーコンピュータ「京」を利用する ことにより可能となりました。
今回の研究の主な成果は以下の点です。
1 最先端の遺伝子解析手法とスーパーコンピューティングを用いた統合的な解析によって、これ
まで同定されていなかった多数の新規の異常を含むATLの遺伝子異常の全体像の解明に成
功しました。
2 今回同定された異常は、PLCG1、PRKCB、CARD11、VAV1、IRF4、FYN、CCR4、CCR7な
どの機能獲得型変異、CTLA4-CD28、ICOS-CD28などの融合遺伝子、CARD11、IKZF2、 TP73などの遺伝子内欠失などからなります。これらの異常は、T細胞受容体シグナルの伝達 をはじめとする、T細胞の分化・増殖などのT細胞の機能に深く関わる経路や、がん免疫から の回避に関わる経路に生じており、こうした異常によって正常なT細胞の機能が障害される結 果、T細胞のがん化が生じてATLの発症に至ると考えられました。
3 特に、ホスホリパーゼCやプロテインキナーゼC、FYNキナーゼ、ケモカイン受容体など、同定 された変異分子の多くが新規治療薬剤の開発に向けた有望な標的と考えられました。
本研究は、ATL について行われた過去最大規模の遺伝子解析研究です。さまざまな手法を組 み合わせることにより包括的に ATL の遺伝子異常を明らかにすることに成功しました。本研究の 結果は、ATL の病気の仕組みの解明に大きな進展をもたらすのみならず、今後、本疾患を克服す るための診断や治療への応用が期待されます。
本研究は、厚生労働省ならびに 2015 年度からは日本医療研究開発機構(AMED)の「革新的 がん医療実用化研究事業」、科学研究費助成事業 新学術領域研究(22134006)、HPCI 戦略プ ログラム利用研究(hp140230)、国立がん研究センター研究開発費(26-A-6)の支援を受けて行わ れたもので、その成果は、2015 年 10 月 6 日付で国際科学誌「Nature Genetics」電子版にて公開 されます。
http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/files/151005.pdf

国立がん研究センターとの共同研究開始のお知らせ(2010/12/21)
この度、当社は独立行政法人国立がん研究センター(東京都築地)とpH 応答性エピルビシン結合高分子ミセル(以下NC-6300)に関する共同研究を開始しましたので、お知らせ致します。

研究目的:
NC-6300の臨床での有用性を検証するため、ヒトに発生する腫瘍に近い同所移植モデルなどを用い、NC-6300の薬理効果および毒性に関する詳細なデータを取得する。

研究内容:
NC-6300 は、抗がん剤エピルビシンをpH 応答性結合させたミセル化ナノ粒子製剤*1 である。その粒子径は約50nm で、血液内では薬物がミセル内に留まりEPR 効果*2(Enhanced Permeability and Retention 効果)により腫瘍組織への集積が高まる。この粒子は、エンドソームと呼ばれる細胞膜が陥没した小胞を介して細胞内に取り込まれる。エンドソーム内のpH は酸性であることが知られており、このpH 酸性化により粒子から薬物が放出されるもので、がん細胞内で時限的かつ急激に薬物を放出する効果が期待される。
これまでにNC-6300 はヌードマウスの皮下に移植したヒト腫瘍モデルにおいて優れた薬効が確認されており、本共同研究では、より臨床に近い同所移植モデルである肝臓がんの同所移植モデルなどを用いた抗腫瘍効果お
よびエピルビシンが有する心毒性を軽減するなどの毒性学的知⾒を得ることで、NC-6300 の臨床での有用性を検証する。

当社業績への影響:
本共同研究開始による2011 年3 月期業績への影響はありません。
http://eir.eol.co.jp/EIR/View.aspx?cat=tdnet&sid=850430