研究力がある会社には将来性がある
製薬企業の将来性を見るのであれば、研究・開発力がポイントになる。研究・開発が熱心な企業、新薬上市を待つパイプライン(新薬候補)が充実している企業はおすすめ。研究開発費から判断してもいい。中堅企業でも、研究活動を重視している会社もあるので、自分がやりたい研究ができそうな会社ならチャレンジしてもいいのではないだろうか。
経営陣に「新薬創出が会社の目標」というビジョンがある会社は世界に通用する医療品を出す可能性がある。
企業規模が大きい兼業製薬メーカー
製薬以外に主力事業をもつ兼業メーカーは、本業の技術が活せる強みがある。戦後の混乱期に本業の技術力を活かしてペニシリンの製造を行った会社がいくつもあった。この時に医薬品分野に進出した会社が多く、製薬専業メーカーよりも企業規模が大きい会社が多い。兼業製薬メーカーは、研究開発に資本を投入できる体力がある。
先発医薬品と同成分同効果の医薬品
ジェネリック医薬品がこれまでになく注目されている。医療費の包括支払制度(DPC)や自己負担増など、医療を取り巻く環境が変化しているからだ。行政も医療費改正ののためジェネリック医薬品の使用をすすめる。ジェネリック薬を使うと診療報酬が加算される。
臨床では医薬品のエビデンスが重視される。ジェネリック薬(後発品)は、先発品と同成分であれば承認を得ることができる。新薬開発は臨床開発を行うため、巨大資本が必要になる。しかしジェネリック薬は、臨床開発を行うことなく製品化できるため価格を抑えることができるのである。
先発医薬品と後発医薬品の違いはあるか
後発医薬品は、製剤研究、溶出性試験、安全性試験、生物学的同等性試験を行うだけで承認許可申請し、認められれば市場に出てくる。しかし、同じ成分をもっていても、全ての特許が切れたわけではないので添加物などが異なる場合が多い。添加物が違えばアレルギーの問題があるし、結晶多形が生じれば効き目にも影響する。
先発品は溶出試験などで加速度試験を行い最良と考える製剤を選定している。後発品が同様の製剤を選択していれば同成分による同効果が期待できるはず。
データに裏付けられたエビデンスを持たないことが後発医薬品メーカーの弱点といわれる。ところが海外の後発医薬品大手が日本法人を設立したり、先発医薬品メーカーにも後発医薬品に参入する会社がある。データを収集してエビデンスを確立する会社もあり、後発医薬品の信頼性が増せば臨床の使用が伸びるだろう。ジェネリックは、国の医療費政策にもマッチして追風となっている。
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