北里大学大学院感染制御科学府 感染制御科学専攻


感染症を制圧する研究に邁進、世の中のために貢献する

 北里生命科学研究所(以下生命研)〔研究部〕と大学院感染制御科学府〔教育部〕は、北里柴三郎先生が設立した北里研究所に由来します。北里先生の理念である「研究を世の中のために役立てる」という伝統を継承。感染症の制圧を目指した基礎研究、開発研究を行いながら、次代を担う研究者を育成しています。
 2015年に嬉しい出来事がありました。生命研初代所長の大村智先生がノーベル生理学・医学賞を受賞されました。これは北里柴三郎先生の偉業を継承するものです。
 北里先生、大村先生に続く人材の育成を目指して、大学院感染制御科学府では「問題解決型の研究姿勢と広い視野を持つ研究者の育成を展開しています。
 その実現のため、生命研を研究現場に「研究と教育の相互乗り入れシステム」を導入。学府生は講義で専門分野や関連分野の専門知識を学ぶだけでなく、生命研の研究に参加して研究ノウハウや世界の最先端技術を修得します。また生命研が有する熱帯病研究センターや微生物資源研究センター、感染制御研究センターとの連携も大学院教育に厚みを与えています。さらにグローバルな社会での感染予防と治療対策準備のため、国内外の研究機関との共同研究など海外研究協力にも力を注いでいます。

目的とする学術研究と人材養成

1. 病原微生物の感染機構及び感染症の病因・病態の解明
2. ゲノム解析に基づく感染症の診断・予防・治療の標的分子の解明
3. 先端工学を応用した診断・予防・治療方法の確立
4. 微生物・植物等の天然物由来の生物活性物質の探索
5. 有機化学合成等を利用した構造活性相関の解明と予防・治療薬の創製
6. 感染制御に関る調査研究

大学院感染制御科学府アドミッションポリシー

【理念】
 感染制御学府は、感染制御と創薬及び関連課題についての研究を推進し、本分野に特化した学際的で先端的な教育を行うことで、この分野の幅広い知識と技術を備えた人材を育成することを理念としています。
【基本方針】
 感染制御学府は、感染制御と創薬に関する学際的かつ高度先進的な教育を実施し、実践的な研究能力、問題発見能力及び問題解決能力を有する高度専門技術者・技術者の育成を目的としています。そのことから入学者の受け入れにおいては、生命科学に関心をもち、物事を科学的な視点で捉えるとともに、自力で課題を解決できる能力、応用力をもつ入学者の選抜を行うことを基本にしています。

特別栄誉教授・大村智博士がノーベル生理学・医学賞受賞

2015年、本学特別栄誉教授・大村智博士がノーベル生理学・医学賞を受賞しました。大村智博士は、土壌サンプルを採取して、土中の微生物が生産する有機化合物を創薬に活用する研究を進めてきました。
 とくに静岡県の土壌から発見した微生物をもとに開発された「イベルメクチン」がアフリカ・中南米に蔓延していたオンコセルカ症という感染症の特効薬となり、年間約3億人を失明の危機から救った功績がたたえられたものです。
 北里大学には、大村博士を筆頭に生命科学を探求し続ける研究者が結集し、その成果は高く評価されています。

研究組織と教育組織を分離 ユニークな大学院組織

感染制御に関する学問領域に必要な研究や高度先端技術を駆使する教育・研究の実現のため独自の大学院組織を構築しています。具体的には下図のように「研究部」と「教育部」に組織を分けています。
 「研究部」となる北里生命科学研究所は、研究の進展に伴いプロジェクト研究課題を柔軟に組み立てます。
 「教育部」を担う大学院感染制御科学府は、既存の大学院研究科や国内外の学術研究機関と連携するなど問題解決型の教育を目指しています。

大学院感染制御科学府が果たす役割

 感染症に関する分野は、多剤耐性や研究者不足など様々な課題が山積しています。とくに新興・再興感染症の出現および関連する疾病の発症に対し、診断・予防・治療の向上が急がれます。
 これらのニーズに対し大学院感染制御科学府は、次のような教育で役割を果たそうとしています。
【教育】
○病原微生物の病原性発現機構と感染 症の成因機構の解明。
○感染症の診断・予防・治療の標的分子の 解明。
○先端工学を応用した診断・予防・治療方 法の確立。
○微生物・植物由来の生物活性物質の探索。
○和漢薬の作用機序の解明。
○感染制御に関る調査研究。
【人材養成】
 感染制御と創薬および関連分野に係る研究者、教育者、高度専門技術者、医療技術者などの養成。

大学院感染制御科学府の履修コースとカリキュラム

【設置課程と履修コース】
○感染制御科学府感染制御科学専攻
 博士前期(修士)課程(定員18名)
 博士後期(博士)課程(定員4名)
 感染制御・免疫学履修コース
 創薬科学履修コース
○ネットワーク型教育カリキュラム
 大学院生は、専攻分野に関する研究指導に加えて他分野の主科目が履修できるほか、副科目や関連科目として本学他研究科の授業科目を履修することができます。様々な専門分野の見地を得ることで問題発見能力や問題解決能力を涵養します。
 また北里生命科学研究所のプロジェクト研究にも参加します。研究の最前線に触れることで実践的研究能力を育成するネットワーク型教育を展開しています。

感染制御科学府修了者の主な進路

 感染制御科学府の修了者は、感染制御と創薬に関する高度専門技術者や研究者として以下の分野での活躍が期待されます。
○医薬品、バイオ、科学、食品等の企業における製造技術者、開発担当者や研究者。
○医学、医療保健系、生物化学、生命科学分野等の学術研究機関における研究者や専門技術者。
○生命科学分野の大学・短期大学等の教職員。
○医療機関、行政機関や国際機関等の専門職。
【平成27年度・就職実績】
住友化学、日産化学工業、アース製薬、和光純薬工業、日本化薬、タマノイ酢、メディサイエンスプラニング、イーピーミント、エイツーヘルスケア、マイクロン、クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパン、ワークスアプリケーションズ、お多幸本店、埼玉県公立高校教員、茨城県公立中学校教員、(敬称略)

感染制御・免疫学履修コースが目指すもの

○病原微生物やウイルスの病原因子の病原性発現機構の解明、ヒトならびに病原体のゲノム解析に基づいた感染症など重要疾病の診断・治療・予防法の開拓技術の確立。
○病原微生物やウイルスの病原因子の構造と機能、宿主細胞との相互作用、免疫応答に対する分子基盤の解析
【専門分野と研究内容】
ワクチン学
 感染症の病理的解析と新規ワクチン開発。
分子ウイルス学
 ウイルス複製の分子機構とその制御に関する研究。
分子細菌学
 グラム陰性菌III型分泌装置ならびにエフェクターの機能に関する研究。
感染症学
 市中および院内の重症感染症に関する基礎および臨床研究。

創薬科学履修コースが指すもの

○微生物由来および和漢薬等植物由来の感染症および関連疾病に対する治療薬の探索、作用機序の解明を基盤とする新技術の開発とその応用。
○生物活性物質をリード化合物とした有機合成化学と生物有機化学による医薬品の開発。
【専門分野と研究内容】
微生物創薬科学
 遺伝子情報を基盤とした創薬のための基礎・応用研究。
生物有機化学
 感染症および重要疾患に対する創薬研究。
細胞機能制御科学
 微生物由来の創薬素材の探索と応用。
和漢薬利用科学
 感染症および免疫・精神神経疾患に対する和漢薬の薬効機序および薬効成分の解析と応用。

●問合せ先
北里大学大学院 感染制御科学府
〒108-8641 東京都港区白金5-9-1
TEL.03-5791-6334 FAX.03-5791-6335
または北里大学入学センター
TEL.042−778−9760

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